人気度↗紫式部ゆかりの石山寺で平安気分に浸る!!「大河ドラマ館」との相乗効果で入山者急増
滋賀県大津市の石山寺は紫式部が「源氏物語」の構想を得て執筆した場所と伝えられている。奈良時代より信仰の対象や、風光明媚な名所として知られており、平安時代には「石山詣」が盛んで、貴族や女性文学者が訪れていた。
現在はNHKの大河ドラマ「光る君へ」が放送されていることもあって、さらに人気が高まっている。境内の明王院では「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」が来年2025年1月31日まで開催中。“大河効果”もあってか、入山者数はコロナ禍前の2019年2月と今年の2月を比較しても約1万人増だという。これからますます人が増えるのは必至。どういう様子なのか、3月中旬に足を運んだ。
JR石山駅でバスに乗り換えて10分。京阪石山寺駅からは徒歩10分。今回は京阪石山寺駅から徒歩で向かった。石山寺東大門から入山。しばらく歩くと券売所の左手に「大河ドラマ館」が見えた。1月29日の開館から約2カ月。担当者によれば3月17日時点で約2万6000人が訪れている。平日と比較して休日は2倍以上で、平均すると一日約530人。来場者は年配者が中心ながらも年齢層は幅広く、7割が女性の印象だという。今回は平日の昼下がりだったが、カップル、夫婦、友人同士で見学する姿が見られ、全体的に女性が多い感じだった。
館内に入ると、まず正面には主人公・まひろ(紫式部)を演じる吉高由里子がドラマで実際に身につけていた衣装がお出迎え。他にも小道具、撮影の裏側を知ることができるパネル、出演者のサイン色紙、来場者が書いた感想やメッセージなどが展示されている。時期は未定だが、展示物の模様替えも行う予定。そして、隣の建物では「源氏物語 恋するもののあはれ展」も同時開催中で、こちらは平安時代の「恋」の文化などをテーマにしている。
「大河ドラマ館」を後にして長い石段を登ると、石山寺の由来となる硅灰石がそびえ立ち、その背後には多宝塔が見える絶好の映えスポット。本堂の東端には紫式部が起筆したとされる「源氏の間」や境内奥の紫式部像などゆかりのものをはじめ、他にも見どころがたくさん。大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会の担当者は「平安時代の世界観というか、その時代に思いをはせられるところが、すごくいいと思っています。お寺全体で雰囲気を味わってもらいたいです」と話す。
四季折々で見える景色も違う。これから本格的な観光シーズン。ゆったりとした時が流れるなか、平安気分を味わいながら、じっくりと回ってみるのもいいのでは。なお、石山寺の入山、「大河ドラマ館」の入館にはそれぞれ料金が必要で、セット券もある。詳細は各ホームページで。
(よろず~ニュース・中江 寿)