乙武洋匡氏が衆院東京15区補選出馬へ 無所属も小池百合子都知事のアシスト受ける 自民党からの推薦にも含み
ベストセラーになった「五体不満足」などの著書で知られる作家の乙武洋匡氏(48)が8日、都内で会見し、衆院東京15区補選(江東区、16日告示、28日投開票)に無所属で出馬する意向を表明した。
先天性四股欠損症を持ち生まれ、両手両足がない乙武氏は「サポートを受けることの重要性を実感してきた私だからこそ、政治によって人々をサポートしていきたい。政治の力で今困っている人、いまサポートを必要としている人々の力になりたい。そんな思いから、立候補を決意いたしました」と述べた。
「ひとりでは、トイレに行くこともできません」と、重度訪問介護制度を利用して生活していることを明かした乙武氏は「ひとたび就労をすると、この制度が使うことができなくなり、自腹でヘルパーさんを雇わなければならなくなる。働きたいのに働くことができない。そうした障害者の方が多くいるんです」と問題点を指摘。当事者の立場から、制度の歪みを正し、新たな政策を提案したいとした。
乙武氏は「政治に希望が失われている今の状況を、リセットしたい。まっさらな状態で、政治をしていきたい」と、東京選挙区で落選した2022年7月の参院選と同じ、無所属で立候補することを強調した。
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件に憤る乙武氏は「2年前の選挙も、無所属で戦い、32万票を超える皆さんに思いを託していただいた。まっさらな状態で勝負をする方が、この政治不信という状況がまん延している中ではふさわしい。どこの政党にも推薦依頼は出しておりません」とした。
都民ファーストの会特別顧問を務める小池百合子東京都知事(71)から、今年3月に出馬オファーを受けた。都民ファが国政進出を目指して設立した「ファーストの会」副代表に就任。この日の会見も、ファーストの会が実質的に仕切った。
小池都知事が都政で進めてきた政策を、全国で広げていきたいと意気込んだ乙武氏。小池氏とは週2~3回のペースで会っているといい「この日を迎えるに当たって、さまざまな相談をしてきた。これだけ近しいところにいるファーストの会には、推薦を出していただくつもり。しっかりと連携して戦っていく」と、小池氏やファーストの会との関係性を説明した。
自民党や国民民主党が乙武氏を支援する方針を示しながらも、国民民主の榛葉(しんば)賀津也幹事長(56)は「自民党が推薦を出すような人は、我々は応援できません」と“相乗り”は否定している。
乙武氏は「私の政策を見た上で、どの政党が推薦を出したいと言ってくださるかわからない。そうした意思を示してくださるところがあれば、お話はさせていただく。受け身という表現がいいのかどうかわかりませんが、待ちの姿勢で臨みたい」と自民、国民民主からの推薦に含み。与野党問わず“ウェルカム”のスタンスを見せた。
(よろず~ニュース・杉田 康人)