乙武氏陣営の暴行被害受け 国民民主党・玉木代表「公職選挙法改正、早期に成立を」「政治と暴力の問題」

 国民民主党の玉木雄一郎代表(54)が23日、国会内での定例会見で、東京15区補選(江東区、28日投開票)で同党が推薦する乙武洋匡氏(48)の応援演説中、暴漢が警視庁に現行犯逮捕されたこと挙げ「公職選挙法の改正を早急に取りまとめて各党に呼びかけて、早期に成立を図っていきたい」と述べた。

 玉木氏と小池百合子東京都知事(71)が21日、乙武氏の応援演説した亀戸駅前で、男が奇声を上げながら乙武氏らに詰め寄り、止めに入った陣営関係者を突き飛ばして現行犯逮捕された。

 玉木氏は「目の前で1メートルくらい前に暴漢が迫ってきて、現行犯逮捕される妨害行為があった。きのう(22日)も、我が陣営に妨害行為があったというふうに聞いております。この問題は民主主義の最大の発露である選挙に関して、国民の有権者が何を訴えているのか、人となりはどうなのか…そういったものを知る権利、聞く権利を害する行為」と糾弾した。

 その上で「こういう状況が放置したままであると民主主義そのものが揺らいでしまう。これは相当な危機感をもって捉えるべき課題ということを実感した」と、問題視した。

 乙武氏は22日、同補選の追加公約として公職選挙法の改正を提案、実現するとした。

 具体的には、同法の225条の「選挙の自由妨害罪」にガイドラインを設けるとして「選挙の自由が認められている『候補者』であったとしても、他の候補者とその陣営スタッフの選挙運動に対して、または選挙の演説を聞いている有権者に対して、一定以上の妨害を行ったり、威圧したり暴力をふるった場合、現行犯逮捕を含む適正かつ迅速なる刑法の適用ができるようにします」と訴えた。

 同補選をめぐっては、一部の候補者が他陣営の選挙活動を妨害しているとの指摘が多く挙がっている。

 玉木氏は「候補者になった人間がやった際には、選挙の自由ということを盾になかなか取り締まることができない。そういったものを動画に載せてビュー数やインプレ稼ぎというものがあって収益を上げることを目的にセンセーショナルなことをやってしまうという二つの問題がある」と指摘。22日の衆院予算委員会で国民民主の田中健衆院議員(46)の質問に、岸田文雄首相(66)も「何らかの対策が必要」と、問題意識を共有しているとした。

 「我が党だけの問題ではなくて、各党ともこういった妨害については問題意識を持っていると思う。早期に成立を図っていきたい。こういったことを早めに芽を摘んでおかないと、同じような類似犯が類似の行動をして、選挙を妨げる。民衆の脅威になってしまう。政治と暴力の問題」と語気を強めた玉木氏は「性善説が通用しなくなった。与野党を超えて全会派で同意を得る話だし、働きかけたい」と、今国会での成立を図るとした。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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