落選の乙武氏「疲れ果てた」3度目の出馬&ファーストの会副代表継続は“未定”強調

  柿沢未途氏の辞職に伴う衆院東京15区補選が28日、投開票され、無所属で立候補した作家・乙武洋匡氏(48)=国民民主党、都民ファーストの会推薦=の落選が確実となり、東京・江東区の事務所で敗戦の言葉を述べた。今後の出馬、ファーストの会副代表の役職継続については未定とした。

 立憲民主党から立候補した元江東区議・酒井菜摘氏(37)=共産党、社民党支援=の当選が確実となり、事務所で会見を開いた乙武氏。疲労の色を浮かべ「ただただ私の力不足。この結果を申し訳なく思う」と無念そうに語った。

 乙武氏は8日に、2022年参院選以来となる2度目の国政選挙挑戦を表明。選挙戦序盤の報道各社の調査で苦戦が伝えられ、乙武氏出馬を主導した小池百合子東京都知事(71)が連日、選挙カーに乗って支持を訴えるなどしたが及ばなかった。

 陣営は「選挙は最後の3日間で決まる」と、小池氏や国民民主党の玉木雄一郎代表(54)らが選挙区で重点的に応援。乙武氏の親友でインターネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏(47)も26日、パリから帰国して駅頭に立った。

 政治団体・つばさの党から出馬した根本良輔氏(29)陣営から、選挙妨害を受けていると主張。ひろゆき氏からは「むしろ乙武さんが得してる」と、逆効果だと指摘を受けていたが、現実は厳しかった。

 前日に「お疲れ様でした」と声を掛られたという小池氏の姿はなかった。敗因については「数字が出そろってから分析したい」と言及を避ける一方で、小池氏、玉木代表からの支援には感謝の言葉を重ねた。選挙への妨害行為に関しては「有権者にとって候補者の主張を聞く権利が奪われたのは非常に残念、許しがたい行為。現行法では是認せざるを得ない状況なら、法改正をしていくべきでは」と訴えた。選挙戦を振り返り「教育、福祉の面で私に期待する声が多かったが、それに応えられなかった。申し訳ない」と改めて謝罪した。

 3度目の国政選挙出馬については「今後に関しては全く考える段階ではない」「疲れ果てたので、ちょっと一回考えさせてください」などと話すにとどめた。また、3月28日に小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」により設立された政治団体「ファーストの会」の副代表に就任していたが、「今回、選挙に出ることに関した話し合いの中で就任しました」と経緯を明かし「それも含めて考えていきたい」と、役職の継続についても未定とした。

 都民ファーストの会所属の都議会議員で、ファーストの会の幹事長として、乙武氏の選挙戦を支えた尾島紘平氏(35)は「大枠として政治とカネ問題が争点となっていた。小池知事にたくさん応援に入っていただいて戦況は良くなったけれども」と振り返った。乙武氏がファーストの会副代表の役職の継続を未定とした点に関しては「結果は伴わなかったけれど、すごい政治家だと思った。彼の豊富な知見、経験で指導してもらいたい。今後もお付き合いしていきたい」と語った。

(よろず~ニュース編集部)

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