ガラスの仮面、パタリロなど名作原画ズラリ「花とゆめ展」開幕!どんな雑誌?編集長「面白ければ何でもあり」
少女漫画誌「花とゆめ」(白泉社)の半世紀をたどる展覧会「創刊50周年記念 花とゆめ展」(東京シティビュー)の開幕を翌日に控えた23日に内覧会が行われ、現編集長の長谷川貴広氏、「フルーツバスケット」などの立ち上げに携わった元編集長で現編集部長の高田英之氏がトークショーを行った。
美内すずえ「ガラスの仮面」、和田慎二「スケバン刑事」、日渡早紀「ぼくの地球を守って」、魔夜峰央「パタリロ!」、佐々木倫子「動物のお医者さん」、高屋奈月「フルーツバスケット」、仲村佳樹「スキップ・ビート!」、草凪みずほ「暁のヨナ」など、名作を描いた歴代74名の漫画家による約200枚の原画が展示される。
長谷川氏が「少女漫画の王道の枠から飛び出した個性が、今もそのまま引き継がれている。少年漫画、BLでもいいんじゃないか…そんな個性派雑誌の流れがある」と現状を説明。高田氏も「初代の小長井(信昌)編集長以来の『面白ければばなんでもあり』という精神に、賛同してくださった作家さんのバラエティ豊かな強い個性が『花とゆめ』にあります」と同調した。
長年愛されてきた理由について、長谷川氏は「親子、孫と三代で読みついでもらっている。流行りだけに捉われない、いつの時代にも通じる普遍的なテーマを描かれる作家さんが多かったからでは」と分析した。
高田氏が「当時編集部で見ている原画もたくさんあった。改めて生原稿のすごさを感じるとともに、当時の苦労も思い出して、甘酸っぱい気持ちになりました」と話し、長谷川氏は「迫力が印刷とは何十倍も違う。作家さんの魂の込もった数々の原画が見どころ」と呼びかけた。
個性派作品がそろうだけに、同誌初となる大規模原画展のテーマ設定は難航したという。長谷川氏は「ファンタジー、王道学園ラブコメという雑誌ではない。いろいろ話し合って『パーティー』というテーマになりました。個性派のキャラクターが50周年をお祝いする形だと、まとまりがあるかのかな」としみじみ。高田氏も「作家さん、読者さん、皆とお祝いできるテーマだと思う」と語り、エントランスの名作に彩られた巨大なアニバーサリーケーキタワーをいとおしそうに見つめた。
キャラクターの等身大パネルや、トリコロールカラーでおなじみのコミックスの表紙の中に入り込めるようなフォトスポットも設置。作家や作品の知られざるエピソードを編集部員がこっそり語る「編集部の小窓」、草凪みずほ・福山リョウコ両氏のデスクを再現したコーナーでは、アナログからデジタルへと移行した制作模様を確認できる。出口には黄金のパタリロ像が鎮座し、来場者は名言満載の「パタリロ!おみくじ」を引くことができる。展覧会コラボカフェ、オリジナルグッズも充実。会期は6月30日まで。チケット等の詳細は公式サイトまで。
(よろず~ニュース・山本 鋼平)