「セクシー田中さん」報告書「意味ない」と嘆き 「ビブリア古書堂」作者、ドラマ化は同じ脚本家

 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズなどで知られる小説家・三上延氏が1日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、5月31日に日本テレビが公表した、同局系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが亡くなった問題についての調査結果に対してコメントした。

 昨年10~12月に放送された「セクシー田中さん」を巡って、芦原さんは原作に忠実な脚本を要求していたが、脚本を担当した相沢友子氏ら制作サイドに正確に伝わらず、何度も修正を求める形になった。溝は埋まることがなく、結局最後の9、10話は芦原さんが脚本を執筆。相沢氏は自身のSNSで、脚本から外された経緯と不満をつづり、トラブルが表面化していた。

 三上氏は「日テレの報告書を読んだ。」と切り出し「自分に起こった過去の諸々が思い出されて、読み進めるだけで手足が冷たくなるような内容だった。できるだけ感情を排して結論を書くと、私たちにはまるで意味のない調査である。」とバッサリ斬った。

 「ビブリア-」は2013年に剛力彩芽主演でフジテレビ系でドラマ化、18年には黒木華と野村周平のW主演で映画化された。ドラマ版の脚本には相沢氏も名を連ねている。

 三上氏はさらに「原作サイドとドラマ制作サイドに認識の齟齬があったからこそ起こってしまった悲劇に、テレビ局だけが内部調査をして発表したところで、ドラマ制作サイドの立場表明に傾くのは避けようがない。」と指摘。「独立した外部の調査委員会が原作サイドを含めた包括的な調査を行うべきだったし、それができないならそもそも調査して発表する意味がない。」と再び斬った。「テレビ局としては『難しい作家』対策の確立という急務はあるだろうが……」と報告書内で芦原さんを指して使われたワードをあえて引用した。

 ドラマ化の条件について「小学館と芦原氏のやりとりが何らかの形で残っている可能性が高い。」と分析。「誰がその条件の話を受け取ってテレビ局に伝えたか、あるいは伝えなかったか、認識の齟齬がどう発生したか、原作サイドも含めた包括的な調査を行えばもっとはっきりしたはずだ。」と消化不良なポイントも示した。

 調査の担当者については「できる限りの仕事をしたのだろう」と配慮したが、一方で「内輪の理屈ではどうにもならない問題」とした。最後は「他にも思うところは色々あるが、とても冷静になれない問題なのでこれ以上は書かない。」と爆発しそうな思いを抑えていた。

(よろず~ニュース編集部)

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