ドラマ「セクシー田中さん」は「ほっこりラブコメ」企画だった!朱里がダンサーになる提案も 小学館が公表
小学館が3日、公式サイトなどに文書を掲載し、昨年10~12月に放送された日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが亡くなった問題についての調査結果などを公表した。
「セクシー田中さん」を巡って、芦原さんは原作に忠実な脚本を求めていたが、脚本を担当した相沢友子氏ら制作サイドに意向が正確に伝わらず、何度も修正を求める形になった。溝は埋まることがなく、結局最後の9、10話は芦原さんが脚本を執筆した。相沢氏は自身のSNSで、脚本から外された経緯と不満をつづり、トラブルが表面化。その後、芦原さんもドラマに対する思いをSNSで公表した後に亡くなっていた。
報告書ではドラマの企画段階からの制作状況や、芦原さんの意向を伝える小学館側と制作サイドの日本テレビ側とのやりとりなどを公表している。2023年3月に小学館社員が日本テレビ社員から受け取った企画書では「40歳を超えて我が道を往く経理部の地味なOL・田中さんとリスクヘッジを考えて生きる23歳可愛い系OL・朱里。真反対な2人が化学反応を起こす、ほっこりラブコメディ」とされていたという。
続けて、企画意図として「自分の殻を破り『なりたい自分』になろうとするこの物語の登場人物たちの姿一歩踏み出す勇気をくれる。この作品を通して、変わることの楽しさを届けたい」「個性的なキャラたちが『生きづらさ』に立ち向かい奮闘する姿をコミカルに描き、笑って元気がもらえるドラマにしたいです」とつづられていた。芦原氏も当初は企画に好意的な反応だった。
ただ、提案されたアイデアを芦原さんが拒否することは初期段階からあった。倉橋朱里(生見愛瑠)について「最終回にむけての朱里の進路について脚本家が、田中さんの後を追ってダンサーになる案を提案していることに対し、原作では田中さんから自立してメイクの道に進むことになっていることから、これに沿うように求めた。」こともあったという。
スタート時点からのズレは埋まることがなく、1~8話についても芦原さんから何度も修正を依頼する形に。9、10話は芦原さんが脚本を担当した。しかし、その後も脚本家がクレジットについて譲らず、日テレと小学館の間で綱引きが続く形となり、脚本家がSNSで経緯と不満を公表することとなった。
(よろず~ニュース編集部)