ABC福戸あやアナ、小学生からの夢だったアナウンサーを諦めかけたことも 高校時代は夏の甲子園で司会

 大阪・ABCテレビの福戸あやアナウンサーがこのほど、よろず~ニュースの取材に応じた。入社3年目、関西注目の女子アナが、アナウンサーになるきっかけ、仕事に対する思いなどを語った。

 入社1年目から3年連続でキャスターを務める「甲子園への道」は、夏に甲子園で開幕する「全国高等学校野球選手権大会」を前に、各地で繰り広げられる地方大会の模様を伝える。今年は7月23日にスタート。「甲子園という、たった一つの場所を球児たちは目指して、そのために汗を流して頑張っている。仲間との絆、家族や監督との約束など、いろいろなストーリーがあると思うんです。その思いをしっかり取材して、お伝えできたらいいなと思います」。試合はもちろん、その背景にある人間ドラマを視聴者に届けたい気持ちも強い。

 アナウンサーを目指そうと思ったのは小学生の頃。「テレビの中でニュースを伝えるアナウンサーの姿を見て、なんとなくなりたいと思ったのが最初で。でも、気づいたら周りに『将来、アナウンサーになる』って宣言していました」。友人、学校の先生、両親や卒業式でも話していたという。

 中学生の夏休みには、よくテレビで拝見していた某局のアナウンサーと直接話をする機会があった。地元が近く、相手が帰省中だったようで、「お休み中なのに『アナウンサーになって、また会えたらいいね』みたいなことを言ってくださって。まだ報告も何もできていないんですけど」。現在も第一線で活躍する憧れの人と再会するタイミングを伺っている。

 「甲子園の開会式で司会がしたい」という希望もあって、高校では放送部に所属した。「楽しかったですね。滑舌練習とか発声練習とか、地道な訓練や特訓ばっかりだったんですけど、卒業する頃には言えなかった早口言葉が言えるようになったとか、そういう変化は目に見えてあったので」。3年生の時は「NHK杯全国高校放送コンテスト」兵庫県大会で優勝、第99回全国高校野球選手権大会の開会式で念願だった司会を務めた。「一番は緊張しましたけど、楽しかったです」。懐かしそうに振り返った。

 この経験が漠然と目指していた夢から目標に変わった。「球児たちが主役の場所で、それを自分の声で支える。アナウンサーになったら、またそうやって何かに頑張っている人を支えられるような仕事ができたらいいなと」。入社1年目から「甲子園への道」を担当することになり、「仕事で甲子園に関われるとは思っていなかったので、うれしいです」と表情を崩した。

 高校卒業後は慶応義塾大学総合政策学部で1年生からゼミに入り、地域活性化について学んだ。地元で目にしたシャッター商店街や過疎化、鉄道の廃線危機…。「どうすれば、人と人がつながって幸せな暮らしになるかとか、以前のようなにぎわいが戻ってくるのか、そういうことも気になったので入りました」。解決の糸口を見つけたいという思いで4年間学んだ。

 アナウンサーになりたい気持ちは変わず、就職活動を始めたが、準備を進めていくうちに、同じ志を持つ人たちの姿に圧倒されて「自分には無理だな」と自信をなくし、一度は諦めかけた。それでも、小学生の頃に描いた将来の夢を簡単に捨てることはできなかった。「受けなかったら後悔する。受けるだけ受けてみよう」。自分を奮い立たせ、チャレンジすることを決意した。

 カメラテストでは緊張しすぎて足がガタガタと震えたりもしたが、縁あってABCテレビに入社。思い描いていた以上に充実した日々を送っている。「もちろん仕事は大変なんですけど、その中にやりがいもあって楽しいですね」。この職業についたからこそ出会える人、場所、瞬間での出来事をしっかりと伝えていきたい。夢だった場所で全力投球する。

 ◆福戸あや 1999年4月7日生まれ、25歳。兵庫県出身。慶応大学卒業後、2022年にABCテレビ入社。テレビ「おはよう朝日です」(月~金、5・00)、ラジオ「辛坊治郎の万博ラジオ」(土、12・00)などを担当。7月23日スタートのABCテレビ・テレビ朝日系「甲子園への道」(※各地域によって放送時間は異なる)では入社1年目から3年連続でキャスターを務める。

(よろず~ニュース・中江 寿)

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