パワプロにも「リクエスト」は導入されますか?【パワプロ30周年独占インタビュー】最終回「これから」

 2024年にシリーズ30周年を迎えた人気野球ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズ(以下、パワプロ)。その記念作品『パワフルプロ野球2024-2025』が18日に発売される。株式会社コナミデジタルエンタテインメントの豊原浩司氏、池本健二氏、成田藤智氏、濱見太輝氏がこのほど、よろず~ニュースの取材に応じ、パワプロの“これまで”と“これから”を語った。全4回にわたる独占インタビュー。最終回のテーマは「パワプロのこれから」。

  ◇  ◇

 パワプロが歩んできた30年間で、野球まわりのルールは変化し続けた。新たなルールが加わる度に「議題には必ずあがります」(濱見氏)とパワプロもそれに対応。例えば、2016年に導入された「コリジョンルール」。パワプロでは特殊能力「体当り」を持つ選手が捕手をはじき飛ばし、ホームインする姿が記憶にある人も多いだろうが、現在では特殊能力「ホーム突入」に変更。スライディングの鋭さで、捕手の捕球ミスをさそい、ポロッとボールがこぼれるというアクションに変更されている。

 最新作では「大谷ルール」のほか、「現役ドラフト」「トライアウト」が新たに追加。現実の野球の進化に追随し、パワプロも進化を重ねてきた。

 一方で、現実の野球で導入されていても、パワプロには導入されていないルールもある。その一つが「リクエスト制度」。NPBでは18年から始まった同制度も当然、当時の議題にあがったという。しかし、最新作にいたるまで導入にいたっていない。

 「結論から言うとパワプロに誤審はないということですね。そもそも誤審が生まれてユーザーが嬉しいかという面があって、現実の野球ではリクエストの回数が決まっていますが、(ゲームでリクエストの権利を)使い果たしてからまた誤審が出た時に納得感がでるかというと難しいところがあると思うんですね。また、誤審だと分かりやすく表現するにはどうすればいいのかという面もあり、あまり優先度高く議論はされなかったと思います。ただ、実現の可能性がないわけではないです」(濱見氏)

 また、近い将来NPBにも導入される可能性がある「ピッチクロック」についても、現状パワプロに導入される可能性は低いという。

 新しい制度をパワプロにも導入するか否か-。その基準はどこにあるのか。濱見氏は「ゲームとしてみた時にそれがあった方がいいのかっていうところが一番大きいんじゃないかと思いますね」と解説した。

 最後に、30周年を迎えてすぐではあるが、40周年に向けて「パワプロのこれから」を聞いてみた。

 濱見氏「どうなっているか分からないですけど、より多くの方に手に取っていただけるために姿を変えているか、姿を変えるといってもパワプロはパワプロであり続けていると思いますので、変わらず多くの方に手に取っていただけるものであればいいなと思っています」

 池本氏「近い将来、オンライン機能を活かしてもっと盛り上がれるモードができたらいいな…などと想像を巡らせますね。技術面の問題はあるけれど、僕自身は、ユーザーがもっと楽しめるオンライン環境での遊びがあると思っています。パワプロでは今も多くのモードを搭載していますが、主要モードを蹴散らしてでも搭載されていくようなパワーのある企画を考えていきたいですね」

 豊原氏「きっと僕が想像もしないようなものができているに違いないと思っています」

 成田氏「モードが100個くらいになってるんかな(笑) 大谷選手と一緒にパワプロを作っていたり、制作チームにOB選手が何人か加わっていたり」

 パワプロが20周年を迎えた2014年。まだコリジョンルールもリクエスト制度も申告敬遠もなかった。メジャーリーグで日本人が本塁打王を獲得するなど誰が想像できただろう。パワプロもまた想像できない進化を遂げ、われわれを楽しませていることだろう。

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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