オグリビー、ドミンゴ…外国人野球選手のモノマネ芸人・サブロクそうすけ、八丈島初のプロ野球選手だった

 東京都知事選で3選を果たした小池百合子知事が2016年の初出馬時に続き、今回の選挙戦で初の街頭演説を行った地は八丈島だった。今年4月に発表された「自立持続可能性自治体」(若年女性人口の減少率が20%未満)全国65自治体のうち、都内で唯一の自治体は八丈町。昨年大ヒットしたアニメ映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」の舞台にもなった。注目度が高まる八丈島だが、同島出身で唯一のプロ野球選手はお笑い芸人でもある。今月12日、48歳にして待望の第1子を授かったサブロクそうすけの芸歴をたどり、思いを聞いた。

 サブロクは八丈島で生まれ育ち、小学6年で埼玉・大宮に転居。都内の区立中学から名門・帝京高校野球部に進んだ。1年先輩の三澤興一投手(早大-巨人など)を擁して1992年春のセンバツを制した世代の投手だが、ベンチには入れなかった。帝京大在学中、帝京高サッカー部出身の相方・山内崇とお笑いコンビ「360°モンキーズ」を97年に結成。母校の先輩による冠番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」の人気企画「博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~」ではマニアックな外国人野球選手のモノマネで注目された。

 40歳の不惑を迎える2016年、独立リーグに挑戦。トライアウトに合格し、四国アイランドリーグplus・愛媛マンダリンパイレーツに入団した。投手としてリーグ戦9試合に登板し、13回2/3を投げて3失点、防御率1・98という数字を残した。この1年間で野球生活にはビリオドを打ち、18年のコンビ解散後はピン芸人として活動している。

 今年5月には八丈島出身の歌手・畑中葉子が主催したライブイベントに凱旋出演。故郷の観客を前に、愛媛のユニホーム姿で得意のモノマネ芸を披露した。

 まずは「あまりにも三振をすることが多いので、全く打つ気がないという作戦に出た元横浜ベイスターズのドミンゴ投手」。横浜、中日などで活躍したドミンゴ・グスマン投手について、サブロクは「(横浜時代の2003年に)18打席連続三振という世界記録を持っています」と解説し、窮屈に見えるフォームから空振りする姿を表現した。

 続くネタは「初球をファウルして日本人投手の変化球は打てないと察し、まさかのセフティーバントをする巨人のダンカン」。98年、大リーグ通算1247安打の鳴り物入りで巨人に入団も、1年で退団したマリアーノ・ダンカン内野手だ。サブロクは「たけし軍団じゃないですよ、巨人にいたダンカンですよ。分からない?おかしいなあ…」と静かな会場に首をかしげながら、甲子園で活躍した高校球児や親交のある柳葉敏郎のモノマネを経て、最後にとっておきの芸を披露した。

 それは「ボールを真芯で捉えた近鉄のオグリビー」。大リーグで80年にア・リーグ本塁打王に輝き、87年から近鉄で2年間プレー。主に指名打者として2年連続で3割をマークし、88年のリーグ最終戦、伝説となったロッテとのダブルヘッダー「10・19」川崎球場で野球人生を終えたベン・オグリビーだ。サブロクはグリップを極端に後方へと構え、バットを何度も小刻みに回す独特の動きを形態模写した。

 こうした外国人選手のモノマネを始めた動機について、サブロクは「八丈島では外国人を見かける機会かなく、(本州側の)東京に行くと外国人がすごくいて、独特だなと思って、外国人選手に注目するようになった」と明かす。自身の野球生活には「愛媛では40歳ルーキーで先発と中継ぎを両方やった。独立リーグは(NPBだけではない)日本のプロ野球。みんな苦労して、すごい選手、一流の選手もいます」と思いを語った。

 12日に待望の第1子となる男の子が誕生。今後に向け、サブロクは「コンビ生活21年、ピンになって6年目で、芸歴は現在28年目。畑中さんは『2曲(「カナダからの手紙」と「後から前から」)で45年』とおっしゃってましたけど、僕は野球のマニアック・モノマネ1つだったので、もう1つ、違うジャンルのネタを作りたい」と意欲を燃やした。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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