韓国で映画のチケット転売が横行!価格が3倍も…解決すべき問題とは 作品側も対策
韓国では現在、映画界におけるチケット転売問題が深刻化している。子ども向けのアニメーション映画の舞台あいさつイベントにおいても、チケット転売が行われており、観客も映画関係者も横行する不正なチケット取引に、頭を悩ませている。
舞台あいさつは、作品を楽しみにしているファンのための特別イベントだ。舞台あいさつでは、出演者が劇場を訪れた観客の前に立ち、感謝の気持ちを伝える場であり、時にはプレゼントなどの特別なイベントが準備されたり、キャラクターが登場するアニメーション映画の場合は、着ぐるみを活用した舞台あいさつを行うこともある。このようなイベントは、映画ファンに幸せな思い出を提供してきた。
しかし、このような特別なイベントが悪用されることがある。一部のオンラインコミュニティーサイトでは、舞台あいさつのチケットの転売が見られる。ある有名なフリマサイトには、「リボルバー」「幸せの国」「Victory」など、さまざまな作品の舞台あいさつのチケットが出品されている。俳優を間近で見ることができる「良席」だという名目で、価格をつり上げている場合もある。
アニメーション映画も例外ではない。最近、映画「愛のハチュピン」が、公式コメントを通じて懸念を示した。作品側は「現在、一部のフリマアプリや中古取引コミュニティー、SNSなどで、『愛のハチュピン』の着ぐるみが登場する舞台あいさつのチケットが転売されているのを確認した」と明かした。また、「正規の販売ルートではない違法なルートでチケットを購入したり、定価より高くチケットを売買する転売取引は、健全な劇場鑑賞文化に悪影響を与える行為だ」と、転売取引に応じないよう呼びかけた。
転売問題はどれほど深刻なのだろうか。8月5日基準で、ある有名なフリマサイトでは、オ・スンウク監督や俳優のチョン・ドヨン、チ・チャンウク、イム・ジヨン、キム・ジュンハン、キム・ジョンス、チョン・マンシクの姿が見られる舞台あいさつのチケットが、4万5千ウォン(約4500円)で販売されている。舞台あいさつのチケットは、映画館を通した通常の方法ならば、1万5千ウォン(約1500円)ほどで購入できる。
子どもたちから大人気の「愛のハチュピン」も同様だ。定価は1万5千ウォンだが、同サイトでは、2枚で4万5000ウォンで販売されている。転売チケットは、健全な劇場文化の形成を阻害している。映画ファンは、経済的利益のためにチケットを転売する人々により、舞台あいさつイベントに参加する機会を奪われてきた。
チケットの転売は、観客だけでなく、作品や劇場にも大きな被害をもたらしている。ある映画関係者は、「転売者はチケットを大量に購入し、売れなければ舞台あいさつ当日にキャンセルする。映画館のチケットは手数料なしでキャンセルできるからだ。そのため、舞台あいさつに空席が目立つこともある。純粋な意図で正しく購入しようとしていた人たちは舞台あいさつを見る機会を逃し、私たちや劇場も損害を被ることになる」と吐露した。
もちろん、作品側もチケットの転売を防ぐために対策を講じている。「愛のハチュピン」がその代表だ。しかし、それも簡単にはいかない。「愛のハチュピン」の関係者は、「フリマサイトでの出品を見つけたら、サイトの運営者に削除要請をしたり、投稿を通報したりして、ひとつひとつ対応している。観客からDMなどで情報提供を受け、削除要請をすることもある」と明かした。
チケット転売問題は、映画ファンや作品関係者に損害を与えるのはもちろん、正しい劇場文化の形成を妨げる。長く続くこの問題を根絶するために、今こそ多くの人々がこの問題に向き合うべきだ。
(よろず~ニュース特約・moca)