中江有里が26年ぶり主演映画、病を克服「生きていて本当によかった」 撮影には「更年期真っ盛り」で意欲

 作家、俳優、歌手などマルチに活躍する中江有里(50)が26年ぶりとなる主演映画の撮影に入ることが27日、分かった。新作のタイトルは「道草キッチン」(白羽弥仁監督)。作品の舞台は徳島県吉野川市・板野町となり、10月4日にクランク・インし、来年秋の全国公開を予定している。

  中江にとって、“恩師”でもある大林宣彦監督(2020年死去、享年82)の映画「風の歌が聴きたい」以来の映画主演作。都会で小さな喫茶店を営む「桂木立(りつ)」という50代に差しかった女性を演じる。

 身寄りのない立は余生を1人で生きていこうと決めていたが、再開発の影響で店の立ち退きを余儀なくされて閉店。さらに健康上の問題も重なって将来への不安を抱える中、徳島県在住の見覚えのない人から「相続通知」が届き、初めて訪れる徳島の地で様々な事情を抱えた人たちや懸命に生きるベトナム人たち、自然豊かな食材で作られるベトナム料理と出会い、自分の生き方を見つめ直す…といった物語だ。

 本作について、中江は「前回の映画主演が1998年。あれから26年経ち、再びスクリーンで主演できるとは!人生、何が起きるかわからないものです」と感慨を込め、「昨年は急な病で倒れましたが、生きていて本当によかったと思います」とコメントした。

 中江が振り返った「急な病」とは昨年7月に腎血管筋脂肪腫の破裂によって緊急手術を受けたこと。筋金入りの阪神タイガースファンである中江は入院中も阪神の試合を「音」で追い、猛虎の快進撃に背中を押されながら球場にも足を運び、9月14日に甲子園球場で決めたリーグ優勝を見届けた。

 今年6月には歌手としてニューアルバム「La Chaleur-ぬくもり-」をリリースし、8月には最新刊となる小説「愛するということは」(新潮社)が出版されるなど、回復後は精力的に活動を続けている。

 そして、女優として、薫陶を受けた大林監督作品以来となる主演映画に臨む。前回の主演作「風の歌が聴きたい」では、トライアスロンに挑む聴覚障害を持つ実在の夫婦を天宮良と共に演じた。公開された98年は25歳になる年だったが、新作では実年齢と同じ50歳の役となる。

 中江は「かつて喫茶店の娘だった私にとって、この映画は人生のアナザーストーリーのようでもあり、不思議な運命を感じます。20代の頃にはなかったシミやシワを勲章に、更年期真っ盛りの身には過酷になりそうな撮影を乗り切りたいです」と意欲を示している。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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