元カンテレアナ新実彰平氏 維新から出馬表明 参院選京都選挙区の候補者公募に応募「社会を変える側に回らなければ」

 日本維新の会の藤田文武幹事長(43)が12日、京都市内で会見し、2025年夏の参院選京都選挙区(定数2)の公認候補として、元関西テレビ(カンテレ)アナウンサーで、同社を1日付で退社した新実彰平氏(35)を擁立すると発表した。

 会見に同席した新実氏は「しんどい思いを抱える方、望まぬ孤独を抱える方がゼロになる社会を創りたい。理想を言うな、と言われるかもしれませんが、これを目指さなければ政治は何を目指すんだというふうに思っている」と、政界挑戦への決意を述べた。

 新実氏は、日本維新の会の参院京都選挙区候補者の公募に自ら手を挙げた。維新を選んだ理由について「お誘いいただいたわけではない。まさに維新一択で、申請させていただいた」と経緯を説明した。

 維新の政策のひとつであるデジタルの力を活用したセーフティーネットに共鳴したといい「デジタルツールをフル活用して、しっかりと国民の皆さんの困りごとを把握して、そこに適切に支援を届ける仕組み、インフラが必要。社会のあり方を、根本的に変えたい」と訴えた。

 政治に関心を持ったきっかけとして、維新創設者の橋下徹氏の存在があったといい「言葉は厳しいけれども、根底には優しさを持っているんだろうなという風に思った。維新は合理的に、真正面から何のしがらみもなく正論を吐いていける政党」と原点を振り返った。

 9月27日に、自身のX(旧ツイッター)で「『しんどい思いをする人を減らしたい』その志を変えることなく、また別の道で精進して参ります」と、12年半勤めた同局を退社する理由をつづっていた。

 アナ時代に「社会課題に挑み、そこに立ち向かう方々を見る中で、このままでいいんだろうか」と自問自答したという。「私自身も立場を変えて、自ら矢面に立ち、覚悟を持って社会を変える側に回らなければならないのでないか…という思いに迫られまして、今回決断をいたしました」と思いを語った。

 新実氏と番組で共演したという藤田氏は「支持率も非常に厳しいし、逆風というふうにメディアの皆さんに言われる時もある。この逆風において手を挙げていただいて、チャレンジしてもらうという心意気は本当にうれしい。そういう心意気こそが、やっぱり世の中に変えていく。表の門から何のコネクションも使わず、申し込んでいただいたというのは希有だし、貴重な存在」と期待をかけた。

 新実氏は京都市左京区出身・在住で、京大法学部在学時代には硬式野球部に所属。関西学生野球の首位打者、ベストナインにも輝いた。卒業後の12年、カンテレに入社。17年から23年まで、同局夕方のニュース番組「報道ランナー」のメインキャスターを担当。カンテレ・フジ系で放送され、阪神がオリックスを破り38年ぶり2度目の日本一を決めた23年11月7日の日本シリーズ第7戦を実況した。

 京大時代は、捕手として活躍した新実氏だが「今回のチャレンジというのは、ピッチャーズマウンドに立つような感覚。どういう球を投げるのかということも非常に試されている」と、当選へ全力投球を誓った。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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