国民民主・玉木代表「ネットどぶ板」戦略明かす 切り抜き職人部隊も!?石丸伸二氏の手法も「研究」

 27日投開票の衆院選で、国民民主党は公示前の7議席から28議席へと議席数を4倍にした。衆院での自民、公明両党の議席数が過半数に満たず、野党第3党でありながら国民民主党がキャスティングボートを握った。

 玉木雄一郎代表(55)は衆院選開票後の会見で、同党のネット戦略が躍進につながったかを問われ「ネットどぶ板ですね」と、陣営が有権者にきめ細かく接して支持を訴える「どぶ板選挙」のネット版だと表現した。

 一部調査で、YouTubeでの国民民主党の関連動画再生数は自民党に次ぐ2位をマーク。野党ではトップだった。玉木氏は「我々非常に小さな政党としてスタートした。小さい政党は圧倒的に地上波であるとか、新聞などに取り上げられる機会がどうしても少なくなってしまう。何とか自分たちで発信できるメディアを持とう」と、動画配信に力を入れたいきさつを明かした。

 玉木氏は、6年前に自身のYouTubeチャンネル「たまきチャンネル」を開設した。「当時はバカにされましたけど、今もう(政治家で)YouTubeをやってない人たちがいないぐらいになってきて。そういう常日頃からの積み上げの発信…これが結果を実を結んだのかな」と分析した。

 「急に、ネット選挙だと言って始めたものでもない。もちろんやらざるを得なかったという最初のスタートもあったが、結果として早く初めて、常日頃からの発信を怠らなかったということが、選挙になって花開いたな…」と、しみじみ振り返った。

 玉木氏は、同党のネット戦略の特長として「切り抜き動画」を挙げる。

 「我々スタッフも少ないし…予算も少ないんで、申し訳ないんだけど著作権フリーにするんで何でもいいから切り取って切り抜いて、どんどん上げてくださいと。ボランティアの切り抜き職人部隊を、養成したんじゃなくお願いして(動画を)出していただいた。ある程度非常に質の高い動画を作っていただける方もたくさんいらっしゃって、何十万と(再生が)回ったものもあった」とした。

 玉木氏は「そういう積み上げの中で、国民民主党の名前や国民民主党の政策がたくさんの人に触れた。その結果だと思います」としながらも、その一方で「ネットだけじゃダメで、例えばそういうものを組み合わせながらリアルに足を運んでいただける方…リアルとネットの融合、結合ができて初めて票につながる」と述べた。

 選挙戦最終日の26日、東京駅丸の内北口での同党の街頭演説会には多くの人が集まった。

 「選挙戦もまめに発信をしたり、例えば演説をライブ中継したり、そういうことを組み合わせながら。その集大成が最終日の東京駅前に数千人集まっていただきましたけど、そこに結びついたのかなと。そこで撮っていただいたものを拡散していただいたりして広がっていったのかなと。ネットだけじゃダメ。リアルだけじゃダメ。その組み合わせの中で、支持が広がっていったと実感しています」と、ネットとリアルの融合が躍進の最大の要因だとした。

 7月の東京都知事選でSNSを駆使し、ネットで支持を広げた前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42 )の戦略を意識したかどうかを記者団から問われた玉木氏は「はい。ずいぶん研究して参考にさせていただきました」と答えた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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