「涙の女王」大ヒットも制作費&出演料高騰で業績に悪影響 Netflixが出演料「適正ライン」を検討
MBNのバラエティー番組「チョン・ヒョン無計画2」で、俳優歴20年のリュ・スンスが出演料について言及した。「主演と助演の出演料に20倍以上の差がある。主演の俳優はドラマ1話につき、1億5000万ウォン(約1500万円)から、多ければ7億ウォン(7000万円)もらえる」と発言。また、「主演の出演料が高騰して、映画やドラマの制作数が半分以下に減った。1年の制作本数が120本だったとすると、今は50本ほど」「主演級ではない俳優は、生活していけないほどだ。副業をすることもある」とも告白した。
これは制作会社にとって、コンテンツの制作数を減らすことが生き残る道となってしまったためだ。上がり続ける出演料のせいで制作費がかかり、作品がヒットしても利益を出すのが難しい構造となった。国内最大手のドラマ制作会社であるスタジオドラゴンですら、業績悪化が目立っている。サムスン証券によると、スタジオドラゴンの第2四半期の売上額は、昨年同時期より47.7%減少し、1137億ウォン(約113億円)、営業利益は91.1%も減少し、19億ウォン(約1億9000万円)だという。
業績悪化の最大の原因として、ヒット作「涙の女王」が挙げられた。本作は、放送局のtvN歴代最高視聴率を記録したものの、1話あたり35億ウォン(約3億5000万円)、合計560億ウォン(約56億円)の制作費がかかっており、利益を期待できない構造のため、株価が暴落。このドラマの余波は、第2四半期の業績にまで悪影響を与え、償却費だけでも100億ウォン(約10億円)にもおよぶという。
それでも、主演の出演料高騰は留まるところを知らない。トップスター級の有名俳優の場合、1話あたり10億ウォン(約1億円)が提示されることも珍しくない。
これを受けて、俳優の出演料の高騰を引き起こしたNetflixが、出演料の「適正ライン」について検討し始めた。Netflix関係者は4日、釜山の海雲台(ヘウンデ)区にあるパークハイアット釜山にて行われたイベント「Next On Netflix:2025韓国映画」で、「Kコンテンツはとても順調で、世界的にも愛され成功しているが、このまま制作費が上がり続ければ、結局は悪い結果を招く」「適切な予算と適切な出演料を提示するのが、俳優にとっても作品にとってもいいのではないかと考えている。特定のガイドラインや規定はないが、適切な出演料について話し合っている」と伝えた。
(よろず~ニュース特約・moca)