「令和の虎」出演のカリスマ経営者 番組の裏側について激白 故・岩井さんとのエピソードも
人気ネットチャンネル「令和の虎」通販版に出演する社長たちの中で、ひときわ目を引く名前の「売れるネット広告社」・「加藤公一レオ」氏。この社長はいったい「何者」なのか。その素顔と、加藤氏から見た「令和の虎」の裏側に迫った。
ブラジル出身で、名前は「加藤公一レオ」。一見、ハーフかと思いきや「純日本人です。両親も福岡の人間で」と笑う加藤氏。父の仕事関係でブラジルに生まれ、18歳までロサンゼルスで育った。家庭では日本語で育ったが、「今でも(漢字を)書くのは難しいですね。今はパソコンで変換できるので便利な時代です」と話す。
初来日のキッカケは18歳。ルーツである日本に行きたいという思いから、福岡の大学に進学した。そのとき気づいたのは、帰国子女の「競争優位性」。語学力はもちろんのことだが、加藤氏は「アメリカでは小学校から『SHOW&TELL』というプレゼンの授業があり、プレゼン力が身につく。加えて日本人にはない発想や行動力、これが語学力より正直大きかったですね」と語った。
その優位性を生かし、多くの内定先の中から大手商社の三菱商事に就職。以降はADKなどの広告業に進み、ノウハウを吸収した。その際にアメリカで流行っていた縦長の通販サイトの仕組み「ランディングページ」に目を付けて、日本で初めて導入。それらのクラウドサービスなどを販売することで、現在の上場に至った。頭に残る「売れるネット広告社」と言う名前については、「ネット業界は横文字の会社が多い。そこで逆に外国人みたいな名前の社長が、日本語だけの社名の会社を作ったら、差別化できるじゃないですか」と説明した。
今や通販業界では「知らない人はいない」と言っても過言ではないビッグネームになった。同社が開催するセミナーには、若き日のインフルエンサー・三崎優太氏も参加。感銘を受けた三崎氏は加藤氏のクラウドサービスを導入し、その後青汁の販売で名を挙げて「青汁王子」と呼ばれるようになったことは有名で、三崎氏も自身のSNSなどで「加藤さんは青汁王子の生み親」と称している。
この評判もあってか、人気YouTube番組「令和の虎」の通販版に「虎(出資者)」として出演。きっかけはスピンオフ版「虎の壁」に出た際、同じく虎側で出演していた「岩井社長」こと、「令和の虎」主催者の岩井良明さんから誘われたことだった。
岩井さんの印象について、「普段動画に出ている姿とは全然違う。まずタメ口を使わない、必ず敬語です。司会の時はよく怒るような印象ですけど、どんな人にも敬語でしたね。すごい丁寧な方でした」と話す。番組の内容も岩井さんの意向で全て「ガチンコ」だといい、「台本もないし、直前にならないと志願者の情報もわからない。事前にわかれば調べて臨めるんですけど」と番組の裏側を語った。
また「虎」として出演者に選ばれる基準について「僕以外はほとんどインフルエンサー。最初から純粋な経営者は、僕と井口さん(井口智明氏)ぐらい」と独自の視点を展開。「よく見ると、大体YouTubeとかXとかで知名度があった人なんですよね。僕は単純な経営者として出ている珍しいパターンです」と話し、「もちろん『通販舐めてんのか!』とか怒鳴った方が再生数は上がると思う。僕はインフルエンサーを目指していないので、気づいたらアドバイスとかしちゃいますね」と番組内でも穏やかな理由を明かした。
岩井さんは9月に逝去。同じ起業家として「あの年齢で最高の青春を謳歌したんじゃないですかね。最後に大きいチャンネル作って。若い人に囲まれて、コミュニティを形成して」とうらやんだ加藤氏。今後も招待されれば番組に出演する意向だといい、「多くの社長は40代とかが全盛期じゃないですか。岩井さんは60代で青春を謳歌してめっちゃ幸せだったと思います。僕も皆に囲まれて何かを成し遂げて、ああいうジジイになって死にたいですね」とはなむけの言葉を送っていた。
(よろず~ニュース・髙石 航平)