新NISAを始めるも家庭不和の原因に!「投資はギャンブル」と割り切れないならスルーが無難?識者語る
新NISA(少額投資非課税制度)の開始から1年。「家計の足しに」と投資を始める人が新たに増えているが、初心者の中には運用に対して不安を抱く人もいる。家族の間で新NISAを巡って見解が分かれ、不和の原因になったりした場合、どう対応すべきだろうか。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏がその対策を提言した。
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【今回のピンチ】
新NISAをやってみようと、そこそこの額の投資信託を購入。半年後に届いた運用報告書を見たら、何万円か値下がりしていた。うろたえた妻が「怖いから、すぐに売って!」と……。
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それまでのNISA制度が変更されて、2024年からスタートした「新NISA」。要するに、運用益が出ても非課税になる上限額(非課税投資枠)を引き上げ、それをエサにして限られた資産を少しでも増やしたい一般大衆に、どうにか投資させようとしているようです。
半年ほど前、巷(ちまた)にあふれる「早く始めないと損」という煽(あお)り文句でその気になって、そこそこの額の投資信託を購入。先日、運用報告書が送られてきましたが、残念なことに評価金額が何万円かマイナスになっています。
自分としては「まあ、持ち続けていればそのうち上がるだろう」という気持ちでした。ところが、下がっていることを知った妻が「何これ、損してるじゃない!」と顔面蒼白に。「もっと下がるのが怖いから、一日も早く売って!」と騒ぎ始めました。
どう考えても、今売るのは得策ではありません。妻の言うとおりにしたら、将来の資産の元を手放すことになる上、みすみす損を確定させることになります。妻をどう説得すれば、このピンチを切り抜けられるのか。
「大丈夫だよ。持っていればそのうち上がるから」となだめても、「どこにそんな保証があるの!」と言われるだけ。「まあ、ボクに任せて。悪いようにはしないから」と強気な態度に出たところで、半年前に吟味して買った投資信託が現に下がっているので、何の説得力もありません。
とにかく、興奮状態にある妻の気持ちを落ち着かせたいところ。まずは「困ったねえ。早く売ったほうがいいのかなあ」と寄り添う姿勢を見せつつ、「こういうことに詳しい友人がいるから、相談してみるよ」と提案して、とりあえず時間を稼ぎましょう。
実際は誰にも相談しなくてかまいません。その後、妻が「投資信託のこと、詳しい友だちはどう言ってたの?」と尋ねてきたら、おもむろに「何人かに聞いてみたんだけど、あと半年は待つのがいいんじゃないかって言ってたよ。俺もそれに賛成かな。今売ったら確実に〇万円は損するわけだし」と告げます。
半年後、無事に持ち直していればめでたしめでたしですが、もちろん持ち直す保証はありません。さらに下がった場合、妻はさらに激しくうろたえるだろうし、夫としての信頼も念入りに失うことになります。もう同じ手は使えないので、必死で説得するか、それでもダメなら、家庭内の平和を守ることを優先して損切するしかありません。
政府や評論家がどんなにもっともらしいことを言ったところで、投資は結局のところギャンブルです。得することもあれば、大きく損をしたり平穏な家庭生活が乱されたりするリスクもあります。夫婦そろって「上がったり下がったりするのが投資の醍醐味」と思えないなら、新NISAだろうが何だろうが、甘い言葉に乗せられて安易に手を出さないほうが無難でしょう。
(コラムニスト・石原 壮一郎)
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