老舗弁当店が警鐘!失われつつある経木 (きょうぎ)の折箱が話題 調達困難、後継者不足…厳しい現状
経木の折箱の魅力がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは
「弁松の歴史を支えてくれたものの一つに『経木の折箱』があります。」と近年の事情を紹介した日本橋弁松総本店公式Xアカウント(@benmatsu1850)の投稿。
1810年以来の歴史を持ち、日本最古の弁当屋として知られる日本橋弁松総本店。弁松と言えば昔ながらの松材を用いた経木の弁当箱が有名だが、昨今はコストの関係で経木の折箱を調達するのが非常に難しいと言うのだ。
SNSユーザー達から
「折り箱 経木程よく水分吸収してご飯も、おかずも、美味しいですよね
プラスチックではだめです 専門業者様に感謝です」
「以前、身内で祝い事があった時に弁松さんの『赤詰』をお礼に用意したことがあったのですが、その後に『木の香りがうつったお弁当が懐かしく、贅沢な気持ちになった』とお言葉を頂いたことを思い出しました☺」
「五十路を歩む身ですが『経木 (きょうぎ)』と云う言葉を知らず恥ずかしと思う気持ちと、読み方と意味を調べ知らぬことを知る嬉しい気持ち
どちらも大切にしよう」など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿について弁松の担当者に話を聞いた。
ーー経木の折箱が確保しづらくなっている原因は?
担当者:2021年以来のウッドショックで木自体が不足していました。現在は安定しているようですが、またどうなるか分かりません。製造に携わる人たちの高齢化、後継者不足もあります。また、他の素材の容器に比べてコストがかかるため使いづらいという問題もあります。
ーー経木の折箱が弁当箱としてうってつけである理由は?
担当者:適度に水分を吸収すること。殺菌効果があること。また木の香りや木の感触が魅力だと思っています。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
担当者:経木の折箱がなくなってしまわないよう、これをきっかけに弁当を買っていただけるお客様が増えて欲しいと思います。また経木の折箱を自社製品に使ってみたいという会社の方は、ぜひ高い技術を持っておられる湯島の折勝商店さんまでお問い合わせいただきたいです。
◇ ◇
料理の文化というのは料理そのものはもちろん、容器に負うところも大きい。日本独特の料理文化である経木の折箱が失われてしまわないよう、利用者の意識の高まりを期待したい。
(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)
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