相続後に見つかった「お宝」が500万円! 相続税の申告後だった場合はどうすれば【行政書士が解説】

亡き父から実家を相続した女性が、相続から半年以上経ったある日、価値のありそうな骨董品を家の中から見つけた。そして専門家に鑑定を依頼したところ、なんと500万円を超える価値があることが判明した。そこで心配になるのが相続税だ。

女性は相続税の申告と納税を終われせていたため、「追加で納税が必要なのだろうか?」と戸惑うことに。このような場合の対処はどうするべきなのだろうか。北摂パートナーズ行政書士事務所の松尾武将さんに聞いた。

ー一度終わった遺産分割協議のやり直しは可能ですか

原則として、すでに行った遺産分割協議全体をやり直す必要はありません。新たに見つかった財産についてのみ、相続人全員で改めて遺産分割協議を行い、誰が相続するかを決めればよいのです。

ただし、例外も存在します。新たに見つかった財産の価値が非常に大きく、もしその存在をはじめから知っていれば、当初の遺産分割協議の内容に影響を与えたであろう場合です。

このようなケースでは、新たに見つかった財産が当初の協議時に発見されていたとすれば、遺産分割がどのようになされたかを基準に判断するべきとされ、異なる分割がされたであろうと考えられる時は、当初の遺産分割協議は錯誤取消の対象となりえます。

ー他の相続人は「お宝」への権利を主張できますか

後から発見された財産も被相続人の遺産の一部です。したがって、法定相続人である兄弟などがいる場合、その「お宝」に対しても当然、権利を主張できます。

新たに見つかった財産について、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。その協議の中で、誰がどの財産を相続するのか、あるいは売却して現金で分けるのかなどを決定することになります。

ー申告漏れのペナルティは課されますか

申告期限を過ぎてからの修正申告(税額を少なく申告していたことに気づいた時に行う申告)の場合、いくつかの附帯税が課される可能性があります。まず、修正申告により新たに納めることとなった税額に対し、本来の納期限の翌日から、納付するまでの期間について「延滞税」が原則として課されます。

一方で、申告額が少なかったことに対するペナルティである「過少申告加算税」については、税務調査の調査を受ける前に、自主的に修正申告を行えば課されません。 もし税務署の調査を受けてから修正申告を行うと、過少申告加算税が課されてしまうため、財産を発見したら一日も早く自主的に申告することが肝要です。

ー骨董品やコレクションの「価値」はどのように決められるのですか

相続財産の評価の原則は、相続開始時点(被相続人が亡くなった日)の「時価」です。 骨董品や美術品の場合、その評価方法は主に二つあります。一つは、類似品の市場での取引価格を参考にする「売買実例価額」。 もう一つは、鑑定人など専門家の意見を参考にする「精通者意見価格」です。これらを参考にして評価します。

素人判断で「大した価値はないだろう」と決めつけてしまうのは非常に危険です。特に価値が高いと思われる品物については、鑑定料を惜しまず、専門家による正式な評価を受けるべきです。

相続手続きが終わった後に新たな財産が見つかったとしても慌てないことです。発見した事実を隠さず、他の相続人と共有することが肝心です。場合によって専門家に相談されるとよいでしょう。

◆松尾武将(まつお・たけまさ)/行政書士

長崎県諫早市出身。前職の信託銀行時代に担当した1,000件以上の遺言・相続手続き、ならびに3,000件以上の相談の経験を活かし大阪府茨木市にて開業。北摂パートナーズ行政書士事務所を2022年に開所し、遺言・相続手続きのスペシャリストとして活動中。ペットの相続問題や後進の指導にも力を入れている。

(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)

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