宝塚歌劇団を代表する演目「ベルサイユのばら」が２７日の公演で、通算観客数５００万人を突破した。

　今年、創立１００周年を迎えた、同劇団の演目の中では断トツの動員数。東京宝塚劇場では公演後に記念セレモニーが行われ、主人公オスカルを演じた凰稀かなめ（年齢非公表）は「長年にわたる温かい声援のおかげです」と支え続けてくれるファンに感謝した。

　１９７４年の初演から数えて４０年、「ベルばら」が動員５００万人という新たな金字塔を打ち立てた。宝塚歌劇団の演目では、通算で約３００万人を動員している２位の「風と共に去りぬ」を大きく上回る大記録だ。

　現在、東京公演の「‐オスカル編‐」に出演している凰稀は「宝塚の代名詞であるこの『ベルサイユのばら』に５００万人のお客さまにご来場いただき、感謝しております。宝塚１００年、『ベルサイユのばら』４０年分の愛を感じながら、これからも務めて参ります」と客席に深々と頭を下げた。

　ステージ上で行われたセレモニーには、過去にオスカルを演じた経験のあるＯＧの女優・涼風真世（５３）も登場。５００万人目の観客となった、千葉市在住の河上季代子さん（４９）に花束を手渡し、「『ベルサイユのばら』は宝塚にとって宝の作品です。ずっとずっと見守り続けたいと思います」と愛情たっぷりに祝福した。

　凰稀は、宝塚音楽学校を受験していた当時、涼風のオスカルに憧れていたといい、大先輩の登場に満面の笑み。自身は２０１５年２月に退団が決まっているだけに、大きな節目を迎えて感慨もひとしお。「いつか私のオスカルを見て宝塚に入ったという子が現れてくれれば」と、未来のオスカルに宝塚魂が受け継がれることを夢見ていた。