関テレ「不適切な表現」映像が別人
関西テレビが昨年11月、夕方の報道番組「スーパーニュース アンカー」で、匿名の内部告発者のインタビューを報じた際、その本人ではなく、取材スタッフの後ろ姿にモザイクをかけた映像を使っていたことが13日、分かった。同局は事実関係を認め「ねつ造、やらせには当たらないと考えるが、不適切な映像表現だった」とした。この日の番組内では山本浩之アナウンサー(50)が謝罪、コメンテーターの青山繁晴氏(60)が厳しく批判した。
問題となったのは昨年11月30日に放送された「スーパーニュースアンカー」(関西ローカル/月~金、後4・48)。
法律で兼業が禁じられた複数の大阪市職員が、新幹線の工事現場でアルバイトをしていた実態を扱い、内部告発のインタビューを行った。
同局によれば、その際、本人が身体を撮影されることを拒んだため、スタッフの後ろ姿を撮影。その映像にモザイクを掛け、声を変えた本人のインタビュー音声と合わせる形で放送した。当時この事実を知っていたのは取材班だけで、デスククラスは把握していなかったという。
放送の2日後、取材カメラマンが上司に相談し発覚。社内で事実関係を調査したが、証言自体は本人のもので、内部告発者を守るための行為だったと判断し、番組での訂正や公表はしなかったという。関西テレビ広報は「やらせやねつ造には当たらないと考えるが、不適切な映像表現だった」とコメントした。取材した記者には口頭で厳重注意したという。
13日の同番組では、山本アナが事実関係を説明したうえで「不適切な映像表現については、真しに受け止め再発防止に努めます」と謝罪。コメンテーターの青山氏は「私も知らなかった。志ある番組と思って出演している。大きな不祥事だ。一記者のミスで終わらせず検証していただきたい」と厳しくただした。
同局では07年、情報番組「発掘!あるある大事典2」で実験データ捏造など多くの虚偽があったことが発覚、当時の社長が引責辞任している。