石原環境相「美味しんぼ」描写に反論
環境省は13日、小学館の漫画「美味(おい)しんぼ」で除染の効果などを疑問視し「福島に住んではいけない」などと訴える描写が波紋を広げている問題でホームページに見解を発表、除染の効果は確認しており、震災がれきの広域処理も安全に実施されていると反論した。
石原伸晃環境相は同日の閣議後会見で「福島県の人の気持ちを考えると非常に遺憾。正しい情報発信をするしかない」と述べた。
同省は「放射性物質対策に関する不安の声について」と題して見解を掲示。除染の効果について「除染前後の測定結果から、空間線量の低減が確認されている」と説明した。また、震災がれきを受け入れた大阪市内の焼却場近くの多数住民が不快な症状を訴えたとの描写に対しても「排ガスの放射能濃度などの実測データは検出下限値未満であり、安全に処理できている」とした。
同省担当者は「漫画に目くじらを立てたくないが、不当な風評被害の防止と福島県内の方の心情に配慮した」と話した。
「美味しんぼ」の「福島の真実」編では、実在する福島県双葉町の前町長や福島大学の准教授が登場し「福島県内には住むな」などと主張。福島県は「断固容認できない」と反論している。