雲隠れの号泣県議 “裏口”から登庁
兵庫県の野々村竜太郎県議(47)の政務活動費疑惑をめぐり、県議会の梶谷忠修議長は7日、各会派の代表者会議に野々村氏を呼び「説明責任が果たせない場合は辞職を求める」と記した勧告書を渡した。
野々村氏は「辞職を念頭に置いている」と議員辞職を示唆した。野々村氏はこの日、報道陣を避け“裏ルート”で入退室。誘導した事務局によると、事前に本人から自殺をほのめかされたという。
釈明会見での壮絶なる号泣で世界の失笑を買って以降、雲隠れしていた野々村氏が、5日ぶりに県議会に“裏口”から登庁した。
全会派代表の総意として勧告書を渡した梶谷議長は、野々村氏に公金を支出した、過去3年間の不自然な計345回の出張費(計約800万円)などを調査すると通告。野々村氏は再調査に応じる姿勢を示し「説明できない政務費は全て返還する」と話し、退出前には「ご迷惑をお掛けしました。辞職も念頭に置いています」と頭を下げ陳謝したという。
野々村氏は、最近は自宅に帰ってないことを明かし、無精ひげもみられたが、この日は号泣することなく淡々と応対したという。
だが新たな“騒動”も起こった。この日、代表者会議が行われた議長応接室前には約100人の報道陣が集まったが、野々村氏の入退室は確認されなかった。終了後の会見で、議会事務局職員が携帯メールで野々村氏を誘導し、貨物エレベーターまで使って、報道陣の死角になる隣室伝いに入退室させたことが明らかになった。
当初は野々村氏単独の行動と説明があったが、その後、事務局が“手引き・誘導”を認めたため会見が紛糾。夕方にあらためて会見した事務局側は、号泣会見の翌日(2日)に、野々村氏が事務局幹部らに混乱した様子で「自殺に追い込まれるかも」と漏らしたため、配慮したと説明。連日苦情対応に追われる関係者は「これ以上、迷惑を起こされたくない」と漏らした。
7日夜までに県や議会事務局に寄せられた苦情の電話やメールは3075件に上った。