号泣県議、ついに辞職…刑事告発も

 政務活動費疑惑に揺れる“号泣県議”こと兵庫県の野々村竜太郎県議(47)=無所属=が11日、神戸市内で県議会事務局の調査に応じ、この席で議員辞職届と過去3年分の政活費1834万円の全額返還届を提出した。調査に対しては「不正はない」と主張する一方、証拠書類などは全て破棄した旨の理解不能な釈明を展開。県議会は説明責任を果たそうとしない野々村氏を見限り、虚偽公文書作成容疑などで兵庫県警に刑事告発した。     

 野々村氏の意味不明な釈明に県議会も怒りをにじませ、サジを投げた。号泣会見で世界の失笑を買った一連の疑惑解明は、ついに捜査機関の手にゆだねられることになった。

 この日午前、議会事務局幹部ら3人による疑惑調査に応じた野々村氏。議員辞職届と政活費の全額返済届を提出して全面降伏かと思われたが、疑惑に関しては徹底抗戦した。

 会見した事務局は、9日にも同様の面談を行い、過去3年間で345回(約800万円)の「カラ出張疑惑」、購入品不明の領収書による「切手の大量購入換金疑惑」など、噴出する疑惑を追及した経緯を説明した。

 野々村氏は一貫して「不正はない」「(出張は)間違いなく行った」と主張。ただし、活動記録や出張メモ書き、パソコンにあった郵送先リストなど証拠類は全て「破棄した」と回答し、購入品に関しては「覚えてない」「忘れた」と返したという。事務局幹部は「全くブレがなかった」と痛烈に皮肉った。

 県議会は午後、梶谷忠修議長が辞職届を受理。各会派の代表者会議を開き、説明責任を果たさない野々村氏に対し、代表者10人が署名して午後5時15分、兵庫県警に刑事告発した。

 なお、政活費1834万円と利息分の返済期限は7月末となる見込みだが、野々村氏は預金を下ろして「一括返済する」と話したという。事務局は「返済能力を心配している」と話した。

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