NHKやらせ疑惑否定後に調査開始?
NHK記者の演技指導を受け、出家詐欺の架空の斡旋ブローカー役を演じさせられたVTRが、昨年放送のNHK「クローズアップ現代」など2番組で、本物のブローカー行為として報じられたとして、大阪府内の飲食店店員の男性(50)が1日、大阪市内で代理人弁護士と会見した。男性側はNHKのやらせ行為だと指摘。同日午前にNHKの聞き取り調査を受けたうえで、7日以内の回答と訂正報道を求めたことを明らかにした。
会見では男性がこれまでのNHK側の対応に不快感を示した。
今回の疑惑は最初に3月18日発売の「週刊文春」が報じた。その際、同誌の取材にNHK広報局は「番組は十分取材を尽くして制作した」「やらせやねつ造があったとは考えていない」「記者がブローカーを演じるように依頼した事実はなく」と反論していた。
しかし男性の証言によると、NHKから聞き取り調査の打診があったのは同誌発売後の3月20日になってからだったという。
代理人弁護士も、この日、NHK側との面会の際に、男性への調査依頼を行う前の段階でNHKが週刊文春に否定的にコメントしていることをただしたところ、NHk側は「当時に可能な関係者に確認した段階の見解」と釈明したという。
また同誌発売日の3月18日にはNHKの森永公紀理事長も定例会見で「調査を進めている途中。取材のプロセスを確認したが、今の段階ではやらせがあったとは考えにくい」と否定していた。
この発言に対し男性は「非常に無責任な発言」と不快感を示した。
この日、NHK広報局は「男性とそれ以外の関係者などの話に食い違いがあり、引き続き、取材のプロセスを確認する作業を行っています。事実関係がまとまった時点で何らかの形で公表したいと考えております」とコメントした。