NHKやらせ疑惑 男性側が再回答要求
昨年5月放送のNHK報道番組「クローズアップ現代」など2番組でやらせ行為があったとして、大阪府内の飲食店店員の男性(50)がNHKに訂正報道を求めている問題で、返答期限だった8日、男性の代理人弁護士が同局から調査中との回答があったことを公表した。そのうえで男性側は同日にNHK側に再度回答を求める申入書を送付し、10日までに明確な回答がない場合にはBPO(放送倫理・番組向上機構)に苦情申し立てを行うことを明らかにした。
この問題は、男性が昨年4月に知人に紹介されたNHK記者の演技指導を受け、出家詐欺を斡旋する架空のブローカー役を演じるVTR撮影に応じたところ、このVTRが昨年5月の「クローズアップ現代」など2番組で、本物のブローカー行為として報じられたと主張。今月1日にNHKの聞き取り調査を受けたうえで、7日以内の回答と訂正報道を求めていた。
これに対しNHKの籾井勝人会長も徹底調査を行うことを明言していた。
回答期限のこの日、男性の代理人はNHK側から「調査委員会を設置し調査を進めている最中」「すみやかに現時点での中間報告を行う」「調査完了次第、最終結果を公表する」として「現時点での明確回答は難しい」との返答があったことを明らかにした。
そのうえで男性側は、新たにNHK側に再度、4月10日までの回答を求め、明確回答がない場合はBPOに苦情申立てを行うとした。
またNHK側から男性に再度の聞き取り調査の申し入れがあったことも明かし「今後条件等を詰める」とした。
一連の疑惑を巡っては今月3日に、問題のVTR撮影に使用され、ブローカーの事務所だと報じられた大阪市内の事務所所有者が同所を公開し「ここはブローカーの事務所ではない」とNHKの報道を否定。撮影は自身の知らない間に無断使用されたと説明していた。