金候補の桃田リオ絶望 闇カジノ発覚で

 遠征先のマレーシアから帰国したバドミントンの田児(左)と桃田
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 バドミントン男子シングルスでリオデジャネイロ五輪の金メダル候補と見られていた世界ランク2位の桃田賢斗(21)と、12年ロンドン五輪代表の田児賢一(26)=ともにNTT東日本=が、東京・錦糸町の違法カジノ店で賭博をしていたことが7日、分かった。同店は昨年、警視庁の捜査で、経営者や指定暴力団住吉会系組幹部ら店側の6人が逮捕されており、反社会的勢力とのつながりもあった。五輪出場権獲得が確実な状況だった桃田のリオ出場は絶望的となった。両選手は8日に記者会見する。

 リオデジャネイロ五輪まで4カ月を切ったスポーツ界に激震が走った。バドミントン男子で金メダル候補と見られていた桃田と、12年ロンドン五輪代表で、同種目の第一人者だった田児が、闇カジノで賭博を行っていたことが発覚した。

 同店は昨年、警視庁の捜査を受け、賭博開帳図利容疑などで経営者や指定暴力団住吉会系組幹部ら店側の6人が逮捕され、閉店している。聴取したNTT東日本から報告を受けた日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事は、この日発表された世界ランクで2位につけ、五輪出場枠獲得が確実な桃田について、「JOCには推薦できない」とし、五輪には出場させない方針を示した。2人の処分については協会規約に従い、永久追放となる除名や、選手登録の抹消などの検討に入った。

 桃田、田児はマレーシアで行われている大会に6日まで出場。田児は5日の予選で敗退。桃田は6日の1回戦を突破したが、続く2回戦は棄権し、2人はこの日の朝に急きょ帰国した。東京都新宿区のNTT東日本本社で聞き取り調査が行われ、両選手は違法カジノ店で賭博をしたことを認めた。同社所属の他の複数の選手もカジノ店に出入りしたことを認めたという。

 日本協会の銭谷専務理事は2人の様子について「NTT東日本の話では2人は事の重大さに気づき、憔悴(しょうすい)しきっている。ドクターも呼ぶような状況で、言っていることも二転三転しており、ヒアリングも慎重にやらざるを得ない」と説明した。

 プロ野球の巨人で4選手が野球賭博に関与していたことが発覚したのに続き、五輪を目指すトップ選手の新たな不祥事で、スポーツ界には大きな打撃となる。くしくもプロ野球が開幕した3月25日に巨人-ヤクルト戦で始球式を務めたのは桃田だった。

 14年には国別の世界一決定戦トマス杯で男子が優勝を果たし、15年末のスーパーシリーズファイナルでは男子で桃田、女子で奥原希望(日本ユニシス)が初優勝するなど、躍進著しかった日本バドミントン界。リオ五輪でも複数のメダル獲得が期待されている中、男子の新旧エースの愚行が水を差した。

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