フランク三浦、スイスの本家に勝訴
スイスの高級腕時計「フランク・ミュラー」を連想させる「フランク三浦」のブランド名で腕時計を販売する大阪市の会社が、商標登録を無効とした特許庁の審決を不服として起こした訴訟の判決で、知財高裁が12日に審決を取り消し、三浦側勝訴を言い渡していたことが13日、分かった。
裁判長は判決理由で「多くが100万円を超える高級腕時計と、4千~6千円程度の低価格時計が混同されるとは到底考えられない」と述べた。判決によると、「フランク三浦」は2012年に商標登録され販売されていたが、特許庁は昨年9月、「全体の語感が似ており、紛らわしい」と登録を無効とした。
ミュラー側は「トップブランドとしての名声にただ乗りし、その価値をおとしめるものだ」と主張。三浦側は「巧妙なパロディーにより需要を獲得しており、ただ乗りではない」と反論していた。
三浦の製造会社は「正当な判決でほっとしています」。ミュラー側は「コメントは差し控える」とした。
フランク・ミュラーは92年に、天才時計師が自身の名前を冠して創設。一方の「フランク三浦」は、公式通販サイトによると「謎の天才時計技師・フランク三浦が立ち上げ、某有名時計ブランドと全く無関係」という。本家をもじった名称や文字盤は芸能人やスポーツ選手にも人気。
この日は、フジ系の情報番組「とくダネ!」で、キャスターの小倉智昭氏と笠井信輔アナウンサーが、フランク三浦をつけて登場。小倉氏は「かわいい時計です」とコメントしていた。