警視庁「手順怠った」アイドル刺傷事件

 東京都小金井市で、アイドル活動をしていた亜大3年冨田真由さん(20)が刺され重体となった事件で、警視庁は25日、冨田さん本人が携帯電話からかけた110番を受けた際に位置情報を確認しなかったため、警察官を事件現場ではなく、冨田さん宅に向かわせていたと明らかにした。通信指令本部は「すぐに確認するべきで、手順を怠った」としている。

 冨田さんから相談を受けていた武蔵野署は、通報時に迅速に対応するシステムに、冨田さんの名前や東京都武蔵野市内の自宅住所、電話番号と「ファンがツイッターで執拗(しつよう)に書き込んでおり、ライブ会場に押し掛けてトラブルを起こす可能性がある」との情報を登録。21日のライブの日時や会場の住所は登録していなかった。

 冨田さんからの110番は21日午後5時5分12秒。「助けて」という声が聞こえたが、通信指令本部の担当者の呼び掛けには応答がなく、同51秒、登録情報をもとに武蔵野署に冨田さん宅へ向かうよう指令した。

 6分57秒に目撃者から「男が女の首を刃物で刺している」と110番があり、9分14秒に現場を管轄する小金井署に指令し警察官を向かわせた。12分14秒に警察官が到着、岩埼友宏容疑者(27)=殺人未遂容疑などで送検=の身柄を確保した。

 冨田さんからの110番は約10分間つながったままだった。

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