「サポート詐欺」に要注意!高齢の親に伝えておきたい突然のセキュリティ警告

 都内在住の70代のNさんは、朝起きると息子に買ってもらったパソコンでニュースを読み、午後から友人と意見交換するのが日課になっている。

 ある日、いつものようにパソコンで記事を読んでいたところ、突然、大音量でけたたましい警告音が流れ「お使いのパソコンがトロイの木馬に感染しました」「コンピュータが危険にさらされています」などの警告メッセージが表示された。

 初めての経験でパニックになり、ブラウザを必死で閉じようとしたが、一向に閉じてくれない。動転し、音量を小さくすることもままならない。警告音での隣近所への騒音が気になり、画面に“マイクロソフトサポートセンター”と表示された050からはじまる相談窓口へ電話を試みた。

 しかし電話をかけはじめたところで、踏みとどまったNさん。実は少し前に「釣り用具の支払いが完了していない」と購入した覚えのない品の支払い要求電話が自宅にかかってきたばかり。この件で息子に「心配なことは自分で判断せず、必ず相談して」と言われていたことを思い出した。息子に急いで電話し「とにかく電源を長押ししてオフにして」という指示に従い、どうにか電源を落とし、警告音からも逃れられた。

 しかし突然の警告音と、偽のサポートセンターに電話しかけたことで「もう一生パソコンを開きたくない。自分が原因で家族に迷惑がかかるんじゃないか」と追い込まれた。だがその晩、息子の励ましやアドバイスを受け、3時間かけて再びパソコンが使用できるようになった。

 警察庁によると、インターネット閲覧中に偽のセキュリティ警告を表示し、金銭を騙し取る、いわゆる「サポート詐欺」が全国的に多発しているという。不安を煽り、画面に記載したサポート窓口に連絡させ、遠隔操作ソフトをダウンロード・インストールさせ、サポート料として金銭を騙し取ろうとするという。

 偽のセキュリティ警告画面が表示された場合、まずブラウザを終了。できない場合は、強制的に閉じるかパソコンを再起動。もしも詐欺被害に遭ってしまった場合、偽のセキュリティ警告画面やダウンロードした資料等を持参し、「都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口」へ通報し相談することも大切だ。

 偽サイトに引っかかる危険性を減らすためには、不審な広告やメールは絶対にクリックしないこと。必ずURLを見て、本物のサイトであることを確認。さらにウイルス対策ソフトをインストールし定期的に更新。サイバー警察局の新着情報をチェックしておくのも一つの方法。詐欺に関する注意喚起の記事や情報を得たら、話題の一つとして情報交換し、少しでも被害を最小限に抑えたい。 

 (デイリースポーツ特約・市来島姫)

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