大阪はたこ焼き、東京はたい焼き?えっ、たい焼きに“天然もの”“養殖もの”があるの!?

 東京の人はたい焼きが好きなのかな?近所のたい焼き店に行列を作る人々を眺めながら、大阪から東京に引っ越した筆者は調べてみることにした。聞いたのはその、近所・阿佐ヶ谷の人気店「たいやき ともえ庵」のオーナー辻井啓作さん。辻井さんは京都出身。東京三大たい焼きの一つとも言われる人形町の「柳屋」の美味しさに感動し、約10年前にたい焼き店をオープン。お店はその美味しさからメディアにも度々とりあげられている。

 -東京はたい焼き好きが多いんですか?出身の北海道でも、住んでいた大阪でも、たい焼き店ってそんなに行列を作るイメージがなかったのですが。

 確かに東京は「天然もの」と呼ばれる、一匹ずつ焼く「一丁焼き」のたい焼き店が全国一多いです(2022年 全国一丁焼きのたい焼き店調査・有限会社ともえ産業情報)。さらに「一丁焼き」のお店は焼くのに時間がかかるので、行列ができやすい、ということもあります。でも東京の人が特にたい焼き好きというわけではなく、実際は、小さな規模の店が多く、増えたり減ったりしているんですよ。

 -辻井さんは関西ではよくたい焼きは食べていたんですか?コナモン文化のイメージですが。

 食べていましたよ。ただ、就職で東京に出てきたんですが、私が関西にいたころは「養殖もの」と呼ばれる一度に何匹も焼くたい焼きしか食べたことはなかったです。それで、一丁焼きの美味しさに目覚めたんです。今は関西でも一丁焼きのたい焼き店は増えてきましたが。

 -やはり東京では大阪のように歩けばたこ焼きにあたる、というくらいのたこ焼き店がないですよね。

 東京には関西のような「ふわっ」「トロッ」といったたこ焼きの文化がないので、美味しく安い関西のたこ焼き店はなかなか出店できないですよね。私も東京で本気でこだわったお店を作りたい、と思ったときにたこ焼き店はなかなか難しい、と判断しました。

 -たい焼きの未来について一言お願いします。

 たい焼きは少なくとも120年以上続いていますよね。「およげ!たいやきくん」ブームしかり、「白いたい焼き」ブームしかり、浮き沈みはありますが、決してなくならずに笑顔でみんな買って下さる。これからはちょっとお値段がお高めでも「一丁焼き」という皮がパリッとしたこの美味しさ、価値を知ってほしいです。

 これからの夏は、まつりなどで人気の「たこ焼き」に比べ、どうしても売り上げの落ちてしまう「たい焼き」。それでも、パンケーキやタピオカにも負けずに大都会の荒波をたくましく泳ぎ切っていた。

 取材協力:「たいやき ともえ庵」

https://tomoean.net/

(デイリースポーツ特約・遠藤萌美)

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