プロのアドバイスで新しい視点 オンラインで心理カウンセリング、コロナ禍で3倍に

オンラインカウンセリング ※写真はイメージです
株式会社cotree・西岡恵子代表
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 コロナ禍以降、心のモヤモヤを解決するための手段として、『オンラインカウンセリング』が急激に広がりを見せ、利用者もサービスを提供する会社も増えています。日本最大級のオンラインカウンセリングのプラットフォームを運営する、株式会社cotreeの代表、西岡恵子さんにオンラインカウンセリングの現状を伺いました。

 -オンラインカウンセリングの需要は増えているのでしょうか?

 「はい。コロナの影響を受ける前の2019年末から初めの緊急事態宣言直後2020年3月までを比べると、急激に、3倍ほど会員登録者数が増えました。コロナを発端とした漠然とした不安を抱える方が増えたこと、在宅勤務の広まりからすき間時間で受けられること、エンタメなどが規制されストレスのはけ口が無かったことなどが背景として考えられます」

 -どのような方が利用されますか?

 「利用者の7割が女性です。20代後半から40代の方が多いですね。女性の生き方が多様化しているため、なかなかロールモデルがいないという状況があります」

 -私自身も体験し、プロの方に話を聞いてもらうというのは、新たな角度から問題に向き合うことが出来ると感じました。また手軽なのも魅力ですよね。

 「カウンセラーは知り合いと違い、相談者の肩書にとらわれる事なく、また、これまでの関係性や利害関係がないため、本質的に悩みにアプローチでき、深く寄り添うことができると思います。例えば、相談の入り口は『子どもの悩み』であっても、本質的には『夫への不満』だったり『家庭環境のトラウマ』を抱えていた、というようなケースがあります。また、対面ですと1回のセッションで1万5千円ほどが相場なのですが、その3分の1ほどの価格で受けられるのも魅力です。店舗と違い他の方と合わないのでプライバシーも守られやすいですしね。ましてや精神的、体力的に外に出かけるのさえ難しいという人もいらっしゃいますし、そもそも近くに相談できるような場所がない、という地方の方もいらっしゃいます」

 -私自身、オンラインカウンセリングを受けたことを人になかなか言いづらい気持ちがあります。そもそも日本ではカウンセリングに対しての偏見などのハードルが高いように感じます。これからの課題はなんだと考えられますか。

 「ハードルが高い理由は主に2点あると思います。1つ目は日本の文化です。元々我慢が美徳とされる文化であり、弱さをさらけ出したり、自分自身が弱さを認めるという文化がないということが考えられます。Z世代ではその意識が薄れてきたとはいえ、まだまだ大きな組織や外から見えにくい家庭環境の中では根深く残っているようです。2つ目は制度が整っていないという事です。日本では皆保険制度となっている分、病気に備えるという観点が薄いという現状があります。しかも心は傷などのように目に見えるものではないので、なおさら難しくなってきます。アメリカでは元々第二次世界大戦後、復員兵のためのメンタルカウンセリングが普及しました。その中で、カウンセリングには保険が適用され、カウンセラーも国家資格がある人しか行うことができません。一方で日本では2017年に『公認心理士』という国家資格ができたものの、基本的には保険適用が行われないなど、まだまだ受けるまでのハードルが高いと思われます」

 女性の間で徐々にサービスが広まりを見せる一方で、こちらの企業では男性利用者は少しずつ増えているものの、人に悩みを話す事に抵抗感がある人が多く、まだまだ手前のフェーズにあるようです。ただ、一度利用すると継続して利用する傾向が女性以上にあるということから、必要性はあると見込まれます。

 (デイリースポーツ特約・遠藤萌美)

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