震災を経験した防災のプロが語る「生きる希望になるオシャレな備蓄食」
「防災備蓄は構えず、いつもの生活に少しプラスするだけ」と、日常生活から災害を踏まえた暮らし「魅せる防災備蓄収納」を提案する三原麻弓さん。
阪神淡路大震災を経験した三原さんが、28年経っても忘れられないのは「美味しいパンやケーキが食べたい!」と強く願った記憶。「非常時も美味しいものが食べたい」といろいろと試した結果、アルファフーズの「美味しい防災食スティックバームクーヘン」(賞味期限5年)は、パン愛好家でもある三原さんも備蓄している一品。「フルーツ缶詰やジャムも常備」しておけば、非常時の甘いものが欲しいという欲求が満たされます。登山用に開発された大東カカオの「やまチョコ」(賞味期限1年)は、日本災害食認証を取得し、常温でも溶けにくく、長期保存できるホワイトチョコレートで、柔らかい塩レモン味です。これら備蓄食も、賞味期限が近付けば、日常で消費しますが、盛り付けによってはおしゃれなカフェ風にもなります。
基本的な備蓄としてまず挙げられるのは、5~15年と長期保存できる保存水。1人1日3リットルの備蓄が目安ですが、2リットルのペットボトルではコップが必要になるため、500mlでの備蓄がオススメです。1日どれくらい水分補給できたかも要チェックで、子供や高齢者がいる家庭は特に気を付けたいもの。ただし口につけたものは衛生面から、1日で飲み切ることが大切です。
備蓄したものを使用する季節は予想できないので、熱中症対策にも使える塩分チャージタブレットは必須。賞味期限も長く、非常食にピッタリです。経口補水液「OS1」のパウダータイプ(賞味期限5年6カ月)は、かさ張らないので便利です。通常の氷より、体の内部を効率よく冷やすといわれるポカリスエットの「アイススラリー」(賞味期限13カ月)は冷凍庫で保存するなど、日常で防災を意識しておくと、いざという時の心の支えになります。
また簡易トイレも、凝固剤の消臭効果はメーカーにより違うため、「出来れば一箱ずつ買って、キムチを入れて試してみては?」とすすめます。あらかじめ比較して、実際の効果を知っておくと、いざというときも安心です。
そんな三原さんの防災ポーチの中身は、まずは割り箸。手洗いできない環境下、衛生的です。透明袋に入れた小銭は、重くなりすぎないように1000円程度。雨具は手のひらサイズのポンチョ。居場所を示すためのホイッスルとLEDライトがついたボールペンは、一石三鳥で便利だといいます。
日常生活で「こんな時これがあると便利」を考えることも一つの防災です。最近は100円均一ショップも防災アイテムが充実しているので、自分仕様の防災ポーチを作ってみるのも良いかもしれません。
(デイリースポーツ特約・せと麻紗子)