令和の新常識?『介護脱毛』のメリット、デメリット やるなら50代まで?和式トイレは使用しづらい!?体験者のリアルな声

『介護脱毛』のメリット、デメリット※写真はイメージです(maroke/stock.adobe.com)
加藤健太郎医師
加藤健太郎医師
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 エステサロンや美容クリニックに限らず、産婦人科や泌尿器科でも「介護脱毛」や「医療レーザー脱毛」を見かけるようになりました。「備えあれば患いなし」という考え方で、介護が必要になった際に、介護者による排泄介助の負担を軽減し、介護を受ける側の衛生面や感染症予防に対する安心感を得ることができます。

 自営業の50代女性Cさんも「介護脱毛」を選択。息子たちに迷惑をかけたくない思いから、友人の勧めもあり、介護脱毛を決意しました。加齢で増える白髪にレーザーが反応しづらいと知り、「やるなら今」と決断したそうです。しかし見た目のスッキリ感はあるものの、新たな悩みも。「排尿時にアンダーヘアがなくなったことで、大変恥ずかしい話ですが、和式トイレの使用が難しくなりました」。アンダーヘアを少しだけ残して置けば、尿の飛び散りを防ぐことができたのかなと少し後悔している様子でした。

 ネイルサロンに勤める23歳の女性Iさんは「今の時代、VIO脱毛は普通。逆にしていないほうがビックリします」と言います。VIOゾーンのムダ毛を全て処理した「ハイジニーナ脱毛」をしているそうです。清潔、衛生を意味する「hygiene」が語源で「今の時代、毛があるほうがあり得ない」とさっぱりした笑顔。男性に対しても同じように美意識や衛生面を追求し、「脱毛をしていないのは、マナー違反です」と厳しい意見も飛び出しました。

 美容形成外科皮膚科・発毛美容専門 医療法人煌永会加藤クリニック理事長の加藤健太郎医師に、気になる脱毛について尋ねてみました。

 -体毛は、大切な場所を守るために存在するという認識ですが、無毛にしても問題はないのでしょうか?

 「確かに、毛髪は衝撃を吸収する役割があります。小さな空気が入っているので、量が集まると衝撃を吸収する素材となります。また、外気からの保湿、防寒に加え、紫外線を防いだり、老廃物を排出する役割もあります。しかし、アンダーヘアは肌着をまとっているため、無毛でも問題はありません。最近では、VIO脱毛をすると男性ホルモンの数値が低下するのではないか?という心配の声を耳にすることもありますが、そのような心配はありませんので安心してください」

 -永久脱毛と呼ばれる医療脱毛について教えてください

 「医療レーザー脱毛は、毛根のメラニン色素にレーザー光線を吸収させ、その熱で毛根周囲の細胞にダメージを与える治療方法です。黒い色に反応して熱を作り出す性質を持っています。そのため、白い毛髪になってしまうとレーザー脱毛の効果が得づらいです。一般的には40~50代までに行うのが望ましいでしょう。白い毛髪を脱毛する場合は、ニードル脱毛(針脱毛)となります。これは、毛穴に金属の針を挿して脱毛する施術方法で、刺激が強いため、苦手な方もいるかもしれません。また、医療脱毛は、永久脱毛だから一生安心と思っている方も多いようですが、レーザー脱毛は永久に無毛状態を保てるわけではなく、毛周期を遅らせるだけです。次第に毛量は少なくなりますが、少なからず毛髪再生が生じます。つまり、永久脱毛といっても、完全に毛が生えなくなるわけではありません」

 多様な価値観のなか、若い世代では衛生面や美意識の観点から、VIO脱毛を推進する声が高まっています。一方、親世代では金銭的余裕の有無や恥じらいの観点から、なかなか一歩前に踏み出せないことも。VIO脱毛が一時期な盛り上がりで終わるのか、それとも永続的な文化として定着するのか。令和の新常識、特にミドル世代にとっては、VIO脱毛が、嫁姑問題の要因となり得るかも知れない?と心配する声も。お互いを理解し尊重しあう寛容さが双方に求められる時代、「下半身の毛の存在意義」については、これからじっくり向き合う余地のある話題と言えそうです。

 (デイリースポーツ特約・せと麻沙子) 

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