「悔しいです」の森田光男が耳なし芳一に
「スクール☆ウォーズ」第8回に、ドラマ史上に残る名場面がある。
県大会で川浜北高は強豪・相模一高に109対0と大敗。滝沢賢治(山下真司)が「お前らゼロか?ゼロの人間なのか?何をやるのもいい加減にして、一生ゼロのまま終わるのか?それでいいのか?お前らそれでも男か?悔しくないのか!!」と部員たちを問い詰めると、森田光男(宮田恭男)が「悔しいです。今までは負けるのがあたり前だと思っていたけど、にやついてごまかしていたけど、今は悔しいです」とはき出したのを皮切りに、部員たちは悔しさをむき出しに。滝沢は「俺はこれからお前たちを殴る!」と、拳に涙を落としながら生徒に鉄拳を振るって闘魂を注入する。
森田を熱演した宮田さんは後に芸能界を引退。都内で実家のすし店を継いでおり、今年9月には山下、松村雄基、イソップを演じた高野浩和さんとの再会が実現した。
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梅宮辰夫さんと和田アキ子さんが夫婦の役で、宮田さんはその息子役で、最初はかなり萎縮していたんですよね。新人ということもあって、端から見て大変そうでした。
まだ新人で、演技もそんなに経験がある方ではなかったと思うんですよ。下手っていうかね、大丈夫かなぁ?みたいな。それでも、あの甘いルックスとメインのキャストですから、けっこう責任が重いっていうのは自覚していたと思います。
幸いなことに、宮田さんは松村さんとすごく仲がいいんですよ。休みの日は記録さんやメイクさんたちと松村さんの部屋に集まって、飲んだり、ディスカッションしたり、主題歌の「ヒーロー」を全部、英語で覚えさせられたりしていたようです。
宮田さんは酒に弱いんですよ。松村さんは強くて。宮田さん、一人だけ寝ちゃったらしいんですよ。目が覚めたら耳なし芳一になっていたって。全身に字が書かれていたらしいです。それは参ったって言ってました。
でも、現場では意外にひょうひょうとこなしてもいました。監督の指示にも円滑に答えていたし、アガッているという感じはなかったですね。大変なシチュエーションで、重要な役どころで、大丈夫かなって思っていたけど。(この項続く)