イソップ前編 高野浩和さんの「しぇんへい」にハマリ役確信
「スクール☆ウォーズ」で奥寺浩=イソップ(高野浩和)はある意味、大木大助(松村雄基)、森田光男(宮田恭男)を超える大きなポジションになりました。今でも「スクール☆ウォーズ」と言えばイソップっていう。
高野さんが来た時は、17歳って言ったかな。細くてちっちゃくて舌っ足らずな声で、かわいい。漫画に出てくるようなキャラクターが、イソップのイメージにぴったりはまっていたんですよ。
演技は大丈夫なのかなっていう心配はあったんだけど、最初に「せんせい」じゃなくて「しぇんへい」っていう声を聞いた時に、これはもうはまったなと思いました。「しぇんへい、僕、ラグビーやりたいんでしゅ」みたいな舌っ足らずな声を聴いた時に。プロデューサーさすが、よく探してきたな、と。
滝沢賢治とイソップっていうのがまた、強くてたくましい先生と、弱々しくてどうなんだろうっていう生徒で、本当にキャラがはまったっていうか。そういう意味では、イソップがいなかったら「スクール☆ウォーズ」はここまで残っていない、かもしれない。もちろんみんなの力なんだけど、あのイソップの存在って、今になってみるとホントに大きな存在なんです。
僕も、「スクール☆ウォーズ」が終わってもしばらく、それこそ何年か前まで、公園でウオーキングなんかをしていると、学生さんとかに振り向きざま必ず、「イソップーッ!」って言われましたね。「賢治ーっ!」じゃなくて「イソップーッ!」ですから。僕が「イソップーッ!」て叫んだのをマネされて、そうとう言われましたね。僕はイソップじゃないよ…。
「スクール☆ウォーズ」イコール、イソップみたいな。イソップがデザインしたライジング・サンのマークもありましたからね。そういう象徴的な存在でした。本当に弱くて、死にそうで、優しくて。そういうキャラが、なくてはならなかった。(この項続く)