フィクションだけどリアルに-考えながら闘った
誰でも生きていく上で色んな悩みは常に持っているし、みんながみんな万全で力強く生きている訳じゃない。ラグビーも最後まで諦めないっていうのがテーマですから、「スクール☆ウォーズ」もマイナスから、自信の持てる強い人間に成長していくっていう、青春のバイブルみたいなドラマです。
「スクール☆ウォーズ」には、小沢仁志さん(水原亮)との河川敷での決闘シーンや、前回、振り返った高野浩和さん(奥寺浩=イソップ)とのシーンなど、撮り直しできないシーンが多かった。一発にかけてましたね。
今でも思います。一分一秒、今の瞬間っていうのを、どれだけ自分の中でリアルに-フィクションなんだけど-自分の実体験にするかっていうのが僕の中のテーマでした。
フィクションなんだけど、リアリティーっていうものを頭に入れて、ホントに追い詰められた人間の感情を抱くためにはどうしたらいいか、常に高校生役の俳優たちと一緒に考えながら、闘っていたような気がします。
ホントに、情熱があったというか、脚本も素晴らしかったし、みんながそれに乗せられていましたよね、雰囲気がね。責任感みたいなものがあったし、30年以上たってもまだ「スクール☆ウォーズ」が残っているのは、そういうことだと思うんですよね。他のドラマが手を抜いているということじゃなくて、だから全てがはまったんでしょうね。
俳優人生において、いい作品に一本巡り会えば、すごく幸せなんです。「スクール☆ウォーズ」は僕の代表作で、これを上回る作品ってのはあまりないんだけど、この作品があったことで、僕の役者人生において「スクール☆ウォーズ」っていえば山下真司、っていうふうに言ってもらえるんで。先日も工事現場を歩いていたら、中年のおじさんが「握手してください」って。「スクール☆ウォーズ」のファンだなって。そういうの、うれしいですよね。
今年はここまで。来年もよろしくお願いします。