役柄のイメージを保つって大変
この間もプロデューサーに「男女七人秋物語」(※)を見て「ものすごくがっかりした」って言われました。15回も見合いしたのに結婚できない高木俊行っていう役を、「スクール☆ウォーズ」の後でやったんですよ。かっこ悪い役で、僕もここまで三枚目に書かれると…。
地方ロケに行くと、撮影している時に、田舎の高校生が僕のことを「高木!」って呼び捨てにするんですよ。「何だよ?」って言ったら、「高木、ポイント低いっぺ!」って、田舎の学生にバカにされて。さすがにちょっとムッとしましたけどね。「お前の方がポイント低いだろう、コノヤロー!」って。
俳優の仕事って面白いけど、見ている方は現実とフィクションのイメージの区別がつかないでしょう。だから、僕なら「スクール☆ウォーズ」のイメージを壊さないようにしないといけない。
お笑いの人たちも、いつもあんな感じでテンション高くやっていると思われるじゃないですか、子供たちから。それで、普段会って食事していたら、例えば「何で志村けん、真剣な顔してるの?」って言われたりすると思うんですよ。大変だなって思います。
「スクール☆ウォーズ」に関しては、やっぱりイメージ、名前を汚すようなことはできないじゃないですか。良くないことで「『スクール☆ウォーズ』の山下真司が」って名前が出たら。
そういう意味では、俳優っていう職業は変なことをしないからいいですよね。ちょっとでも悪いことをしたら終わっちゃうから。普通の人よりマジメな人が多いと思いますよ。信号が黄色になった時、車で交差点に入っても大丈夫かな?って、ドキッとしちゃいますもんね。
※「男女七人秋物語」=87年、TBS系。全11話。明石家さんまと大竹しのぶの主演で大ヒットした連続ドラマ「男女七人夏物語」の続編で、こちらも大ヒット。前作から続投のさんま、しのぶ、片岡鶴太郎に加え、山下、岩崎宏美、手塚理美、岡安由美子の「男女七人」が出演。