【競輪】19歳・小林莉子が初代女王
「ガールズケイリン・決勝」(3日、平塚競輪)
輪界にプリンセスが誕生した。ガールズケイリン初の決勝が3日行われ、最年少の小林莉子(19)=東京=が初代女王に輝いた。初日から2連勝の中山麗敏(30)=神奈川=と加瀬加奈子(32)=新潟=は2、3着に敗れた。最終日のガールズの売上は8624万8400円。3日間で2億7109万6500円を記録した。
徹底先行を標ぼうする小林の積極性が幸運を呼んだ。打鐘過ぎに発進した加瀬の番手にすっぽりはまると、ゴール前で抜け出して鮮やかな差し切り勝ち。表彰式では未成年ながらS級優勝の稲垣とともにシャンパンファイトを楽しんだ。
「(1)(1)できた2人を止めたかった。加瀬さんは掛かっていたけど、落ち着いて脚をためられた。開幕戦で優勝できてうれしい」。ゴールした瞬間こそ「グッときた」が、まだあどけなさの残る女王は涙を流すことなく笑顔を振りまいた。
今まで働いたことは時給800円のウエートレスのバイトだけ。「一人暮らしを始めたから、あすの食事代を節約することばかり考えていた」という女の子が、3日間で54万6000円を稼いだ。初の賞金は「両親との食事に使う」そうで、雨の中、応援に駆けつけた父・尚志さんと母・睦美さんに感謝した。
「ガールズを盛り上げる」ために、ブログはレースの斡旋日以外、毎日更新するプロ根性の持ち主。「この結果に満足せず、ずっと勝ち続ける選手になりたい。ケイリンでオリンピックにも出たい」。自転車競技を初めてわずか1年半。“プリンセス・リコ”の夢は広がるばかりだ。