【中京記念】川須、ラフォン初G導く
「中京記念・G3」(22日、中京)
有意義な6週間が、大きく成長させた。今夏初めて函館にフル参戦して、開催リーディング3位の好成績を残した川須栄彦騎手(20)=栗東・フリー=が、エアラフォンで夏の中京ラストの重賞に出走。追い切りに騎乗して、手応えをつかんでいる。北の大地で自信をつけた若武者が同馬を初のタイトル奪取に導く。
今夏、初めて函館競馬にフル参戦した川須は、開催終了とともに栗東に戻り、精力的に調教にまたがっている。「暑いのは大丈夫です」と汗をぬぐうが、まぶしい笑顔は充実した日々を物語る。
それもそのはず。函館では10勝を挙げる大活躍。13勝の吉田隼、12勝の三浦に続く、3位の成績を残した。「最初のコーナーまでや、直線が短い。ポジション取りが大事だし、馬場状態も把握できていないといけない。難しいが、本当に勉強になりました」。厳しい環境下で結果を出せたことは自信になったという。
当初の予定通り、今週からは関西圏でプレー。早速、中京記念はエアラフォンの騎乗依頼を受けた。同馬は重賞未勝利ながら、昨年の関屋記念で2着がある実力馬だ。18日の栗東坂路では自らが騎乗し、4F50秒6‐36秒8‐12秒7をマーク。タイキプレミアム(3歳未勝利)に追走先着と派手なパフォーマンスを見せた。「柔らかくていい馬です。パワーもあるので中京のタフなコースも合いそう」とファーストコンタクトで絶賛だ。
福岡県出身だけに28日からスタートする地元の小倉競馬では「リーディングを獲りたい」と高い目標を掲げる。「帰ってきてチャンスのある馬で重賞に出られるし、たくさんの馬に乗せていただける。中京で弾みをつけたいですね」。北の大地でひと回り成長した若武者が熱いハートで尾張の夏を締めくくる。