【Kジョージ】ブリランテ残念8着

 「キングジョージ6&クイーンエリザベスS・英G1」(21日、アスコット)

 壁は厚かった。岩田康誠騎手(38)=栗東・フリー=とのコンビで臨んだディープブリランテ(牡3歳、栗東・矢作)は、欧州の上半期を締めくくる英G1で8着に沈んだ。海外初遠征のダービー馬は直線で失速。06年ハーツクライ(3着)以来の挑戦だったが、日本調教馬の初Vはならなかった。優勝は一騎打ちを鼻差で制したデインドリーム(牝4歳)、2着はナサニエル(牡4歳)だった。

 夢は打ち砕かれた。栄冠から2カ月足らず、ディープブリランテの世界挑戦は8着。昨年の凱旋門賞馬デインドリーム、連覇に挑んだナサニエルのたたき合いは、はるか前方だった。最後の直線ではズルズルと後退し、バテた馬をかわすのがやっと。7着馬からも10馬身離された完敗。日本の3歳ナンバー1は世界の壁、強さを全身で味わった。

 岩田は「率直に悔しいです。皐月賞ほどではありませんでしたが、力みがあった。途中から他馬の後ろに入れましたが、最初から内に入れられなかった」と唇をかんだ。スタート直後からの下り坂を中団の外めで通過する形に。前に壁がつくれずに気負ったことが、ラストの攻防で吐き出すための力を奪い去っていた。

 日本のダービー馬としての誇り、昨年のグランプリボス(セントジェームズパレスS・G1=8着)の雪辱を胸に臨んだ英国遠征。矢作師にも落胆がにじむ。「状態が非常にいいと思っていたので、強い相手だったとはいえ、残念です」。6日に現地入りし、万全の態勢を整えた英G1の大舞台。思いもしなかった眼前の光景に肩を落とす。

 1969年のスピードシンボリ(5着)から数えて5頭目、今回も日本調教馬に女神はほほ笑んでくれなかった。「今は心が折れそうですが、海外への遠征は続けないといけませんし、ダービーを勝ちましたので次は世界で勝ちたい」。指揮官は挑戦への強い思いを改めて口にした。今後は24日に滞在中のニューマーケットからオランダへ移動し、25日にアムステルダムから帰国の途に着く。まだ3歳。アスコットでの無念を糧に、ブリランテは次なる戦いを目指す。

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス