【アイビスSD】パドトロワ待望のG冠

 「アイビスSD・G3」(22日、新潟)

 新潟名物の直線電撃5F戦を制したのは、安藤勝騎乗のパドトロワ。7番人気の低評価に反発する完勝劇で同レースの牝馬の連勝を7で止め、待望のGタイトルを手にした。これでサマースプリントシリーズの首位に浮上。鞍上もサマージョッキーズシリーズのトップに並んだ。次戦のキーンランドC(8月26日・札幌)で、さらなるポイント加算を目指す。

 ここでは格が違うとばかりに、パドトロワが涼しい顔で初経験となる新潟名物の5Fストレートを攻略した。発馬を決めて、サッと3番手をキープ。残り2Fから鞍上が仕掛けると一気に加速、前を行くハクサンムーンとエーシンダックマンの間を悠々と突き抜けた。

 「思ったようなポジションを取れたし、外枠で競馬の組み立ても楽だった。初めての1000メートルもむしろ合っていたんだろう」と安藤勝は冷静な表情で振り返る。前走時(函館スプリントS=4着)はひと息だった息遣いが、良化していることを返し馬で実感。「もともと力のある馬。暑い時季、夏から秋にかけてがいいんだ」。重賞初Vとはいえ、昨年はスプリンターズSで2着に粘り込み、香港スプリント(14着)にも挑戦した実績、底力は一枚上だった。

 サマースプリントシリーズでも首位に浮上。24日に函館へ移動し、次戦に見据えるキーンランドCで重賞連勝を決めるようならシリーズ初の牡馬優勝も見えてくる。「状態が一番良かったのは去年のスプリンターズS。あのときに近づければG1でも面白い。使いつつ良くなるタイプだし、楽しみ」と鮫島師。夏の短距離王へ、そしてスプリンターズS(9月30日・中山)へ。まだまだ良化の余地を残すだけに、期待は膨らむ一方だ。

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