【関屋記念】ドナウブルー、伸び上々
「関屋記念・G3」(12日、新潟)
安田記念10着以来のドナウブルーが8日、好仕上がりをアピールだ。最終追い切りは栗東坂路で馬なりの調整となったが、ラストは上々の伸びを披露。飛躍の秋に向けて、牡馬を撃破して重賞2勝目をつかみ取る。エアラフォンは岩田を背に併せ馬。僚馬を追走してわずかに届かなかったが、時計的には申し分のない内容。好調をキープしている。
まさに名曲“美しく青きドナウ”の調べを奏でているようだった。ドナウブルーの最終デモは栗東坂路。荻野要(レースは内田博)を背に、緩やかなリズムでスタートする。鞍上は手綱を押さえたままで、自ら四肢のピッチを上げてスピードに乗る。ラスト1Fは首を使って12秒4の軽快な伸びを披露。4F54秒0‐39秒0‐12秒4の全体時計こそ目立たないが、1Fごとに速くなる理想的なラップを刻んだ。
鞍上は「感触や反応を見る感じでしたが、良かったですよ」と好感触を伝える。先週は坂路で4F51秒7と自己ベストをマークしており、既に態勢は整っている。「先週やっているし、今週は夏場の輸送も考慮してセーブする感じ。普段から落ち着いて歩けるようになってジタバタしなくなった」と、精神面の成長も口にする。
メンタルの余裕が、体つきにも表れてきた。以前は馬体の維持が課題で、420キロを切ることもあった。初の長距離輸送の中山牝馬Sでは16キロの馬体減で11着と大敗。しかし、ヴィクトリアマイルではプラス12キロと回復して2着と好走。前走の安田記念は中2週で再び東京への輸送でもプラス4キロ。結果は10着だったが、ヴィクトリアマイルよりも時計を詰めていた。「前走は中2週を意識してつくったこともあるが、思ったより減らなかった」と古川助手。さまざまな経験を自らの血肉に変え、着実に進化してきた。
今回は内田博と初タッグとなるが「心配はないと思います。研究熱心なジョッキーですしね。たまに外にもたれる癖もあるけど、修正して乗ってくれると思う」と手綱さばきに期待を寄せる。引き続き牡馬相手の一戦にも「道中脚をためられれば、しまいは速い脚を持っていますからね」と力が入る。先週、エクスペディションで小倉記念を制して勢いに乗る石坂厩舎。2週連続重賞Vの立役者となるつもりだ。