【関屋記念】ドナウ大接戦根性で制した

 「関屋記念・G3」(12日、新潟)

 妹には負けていられない。1番人気のドナウブルーが、夏の越後路で2つ目の重賞タイトルを獲得。エイシンリターンズとのマッチレースをコースレコードで制した。次走は京成杯AH(9月9日・中山)の予定。全妹の2冠牝馬ジェンティルドンナとの対決に向け、まずはサマーマイルシリーズ王者のタイトルを獲得して箔(はく)をつける。

 越後路でドナウブルーが華麗に舞った。抜群のセンスを発揮して、外枠から逃げるレッツゴーキリシマの番手を奪取。直線では内から馬体を合わせてきたエーシンリターンズと抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げたが、ゴール前でひと伸びして激戦をモノにした。

 勝ち時計の1分31秒5は01年の関屋記念でマグナーテンが記録したタイムを0秒3更新するコースレコード。「スタートが上手だし、自分の位置を取れる。あとは自分のペースで行くだけだった。最後は2回くらい抜き返したし、すごい勝負根性を見せてくれた。馬に勝たせてもらいました」。初コンビを組んだ内田博は、センスの良さとハートの強さに舌を巻いた。

 石坂師はエクスペディションで制した先週の小倉記念に続いて、2週連続重賞制覇。「人馬とも根性を出した。ジョッキーも素晴らしい」。そう言って内田博の騎乗を絶賛したあと、ちゃめっ気たっぷりに「実はこのレースがサマーシリーズだって、最初は知らなかったんだ」と頭をかいた。

 今後について「プランは2つある。シリーズの賞金を獲りにいくか、芝の千八を使うか。でも金に目がくらんじゃうよね。馬主さんと相談するけど、欲が出るでしょ」。エリザベス女王杯のステップレースとなる府中牝馬Sよりも、京成杯AHに色気を見せた。

 3月の中山牝馬Sでは16キロ減の馬体で11着に惨敗しているが、この日は前2戦の東京G1に続いて体重増での出走。「きょうで(長距離)輸送は完全にOK」と課題はクリアした。同厩の全妹ジェンティルドンナはこの春、3歳牝馬2冠を達成。「いずれ妹とも戦わなければならん」と、師は姉妹対決を出し惜しみするつもりはない。運命の一戦に向けて、まずは夏のマイルシリーズチャンプの座をきっちり手に入れる。

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