【キーンランドC】パドトロワ、好調

 「キーンランドC・G3」(26日、札幌)

 ここを勝てば、牡馬初のサマースプリント王者が決定する可能性のあるパドトロワは22日、函館Wで主戦・安藤勝が騎乗してパワフルな動きを披露。シリーズ2位のドリームバレンチノも、札幌ダートで好調をアピール。函館スプリントSに続く北海道短距離重賞連勝で、逆転Vを狙う。

 530キロを超える巨体が軽やかに弾んだ。函館Wに登場したパドトロワは、単走で半マイル標を過ぎたあたりから一気に加速。栗東から駆けつけた安藤勝の激に応えてしまいを伸ばすと、5F66秒7‐38秒2‐12秒9をマークした。

 前々走の函館スプリントS(4着)でもケイコをつけた安藤勝は、満足そうにうなずいた。「あのときより良くなっている。前走の返し馬の感触が良かったが、暖かい時季の方がいいんだね。硬さを気にしていたが、それがない」と出来の良さに太鼓判を押した。

 ここを勝って、ドリームバレンチノが掲示板を外せば、最終戦を待たずしてサマースプリントシリーズVが決まる。06年に始まった同シリーズで、まだ牡馬の優勝はない。「何とか獲ってほしいね。G2やG3は勝てるが、G1でどんとこいというほどではない。今回のメンバーなら、ドリームバレンチノとダッシャーゴーゴーとの力関係だけだろう」。鞍上は自分の気持ちを奮い立たせるように、ライバル2頭を名指しした。

 函館の馬場がこの日で閉鎖するため、追い切った馬は午前11時までに退去。調教直後の輸送は負担が大きいが、函館で追って、新潟のアイビスSD快勝のこの馬には関係ないだろう。鮫島師も「ハードな輸送をしてもへこたれないし、現に結果を出している」と意に介していない。

 さらに師は「今回使えば脂肪は燃焼するし、札幌から栗東の輸送もある。いい感じでG1を迎えられる。もちろんメンバーが強くなった今回も、チャンスはある」と青写真を描く。サマー王者のハクをつけて、スプリンターズS(9月30日・中山)へ。疲れ知らずのタフガイが、牝馬の7連覇を阻止し、短距離女王カレンチャンに挑戦状をたたきつける。

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