【札幌2歳S】パワフル陣営舌巻く成長
「札幌2歳S・G3」(9月1日、札幌)
今年から開催が1カ月早まり、例年以上の好メンバーがそろった。なかでも、注目はクラシック候補の呼び声が高いトーセンパワフル。コスモス賞を快勝したラウンドワールドを返り討ちにして、ロジユニヴァースとの兄弟連覇を成し遂げる。
エリートコースは踏み外さない。トーセンパワフルは6月2日の阪神開幕週の新馬戦を1・6倍の圧倒的な人気に応えて快勝。09年ダービー馬で全兄のロジユニヴァースが制した札幌2歳Sにすぐさま矛先を向け、放牧に出して成長を促した。
10日に函館に入厩すると、ここまで順調にメニューを消化。Wでの1週前追い切りでは併せ馬で並入に持ち込んだ。「仕掛けてからのフォームが低くなって、いい反応でした。乗っていた人(前川助手)も“以前と全然違う”と言っていた」。高田助手は良血馬が見せた伸びしろに舌を巻く。
初戦で撃破したラウンドワールドが軽々と2連勝を決めたことで評価はさらに上昇した。「使ってきた馬との差がどう出るか」と再戦を意識しながらも不安の色はない。「あの走り方なら洋芝は気にならないし、マイルで勝ったけど、距離はもっとあった方がいい。2歳のこの時季で、こんなにしっかりしている馬はそういない」。まずは格の違いを見せつける。そして、兄が成し得なかった無敗のダービー馬の称号を手に入れるつもりだ。