「札幌２歳Ｓ・Ｇ３」（９月１日、札幌）

　札幌リーディング快走中の横山典弘騎手（４４）＝美浦・フリー＝が、付きっきりで面倒を見ているのがコディーノだ。藤沢和厩舎ゆかりの血統で、兄姉にも騎乗してきただけに思い入れも深い。関東の切り札的存在と名手のコンビが、強力関西勢をまとめて差し切る。

　コディーノに献身的に接する横山典だが、この馬を見つめるまなざしはいつも慈愛に満ちている。１週前追い切りでは函館まで赴き、今週の調教も自分で感触を確かめた。３０日の朝の運動にも付き合って、コミュニケーションを深めてきた。

　「古馬でもへばっちゃうくらいの暑さだけど、今のところは順調だ」。今年の北海道は残暑が厳しく、この日も気温は３０度を超えた。先週のエルムＳで騎乗したサイレントメロディは、返し馬のときに前脚を引きずったために下馬。結局は何でもなかったが、横山典は夏バテが原因と見ている。体が完成されていない２歳馬は古馬よりバテるケースが多い。少しの変化も見逃さないよう、細心の注意を払っている。

　母ハッピーパスとは縁がなかったが、その子どもには全て背中に乗った。半兄ラヴェルソナタに３回、半姉パストフォリアに４回。姉には今年のフェアリーＳでゲートで立ち上がって最下位に敗れた苦い経験がある。それだけに新馬戦後はテンションが上がらないよう心掛けたが「パストフォリアは大変だったけど、この馬はおとなしい」と性格の良さに目を見張る。

　札幌で１９勝。日曜は新潟で騎乗するが、２位の三浦とは５勝差で札幌リーディングの座はほぼ確実だ。「オレのことはいい。コディーノのことだけ書いてくれ」。先週のキーンランドＣはダッシャーゴーゴーで鼻差２着に敗れたが、札幌ラスト重賞はコディーノを男にするためにも譲らない。