【セントウルS】カレンチャン絶品

 「セントウルS・G2」(9日、阪神)

 高松宮記念でG1・2勝目を挙げて以来となるカレンチャンに、悲願のG1制覇を狙うロードカナロアの安田厩舎2騎が5日、先週に続いて栗東坂路で豪華な併せ馬を敢行した。馬なりでの調整となったが、ともに抑え切れないほどの手応えで並入。秋初戦へ向けて、そろって臨戦態勢を整えた。

 短距離界の女王がパワフルさを増して帰ってきた。カレンチャンは栗東坂路で、2週連続となるロードカナロアとの併せ馬。北村友(レースは池添)を背に、豪快にウッドチップを蹴り上げて登坂した。終始手綱を抑えたままだったが、ラスト1Fは自らギアを上げて加速すると、鼻面を並べてフィニッシュ。馬なりで4F54秒2‐38秒9‐12秒1をマークした。

 見届けた安田師の表情も明るい。「きょうも併せ馬で追い切りましたが、時計は速くなってほしくなかった。そんな中、しまいの切れ味が良く、手応え良く上がってきましたし、きょうのケイコは完璧なケイコですね」と絶賛の嵐。2週前は同坂路で4F50秒1、1週前も同51秒1と好時計をマークしており、直前のソフトな仕上げもまさに予定通りだ。

 前走の高松宮記念で482キロだった馬体重は、先週計測した段階で506キロに。「フックラして、レースでもプラス10キロくらいになるかもしれませんが、動ける態勢です」。約500キロある僚馬と、馬体を並べても見劣らない迫力ある動きは、女王がさらに進化を遂げた証しと言っていい。加えて精神面も成長した。「以前は物音に反応していたが、今はずぶとくなって落ち着いている。オンとオフがしっかりしています」と心身両面の充実ぶりに目を細める。

 牡馬の58キロに相当する56キロでの秋初戦となるが「あくまでスプリンターズSが目標で、今回はその前哨戦ですが、JRAの短距離チャンピオンとして、恥ずかしくない競馬をしてほしいですね」と力を込める。実りの秋へ向け、G1・2勝馬が貫禄のVで、その存在感を見せつける。

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