【セントウルS】豊&エピセが3強食い
「セントウルS・G2」(9日、阪神)
スプリント界に新星誕生だ。武豊騎乗の6番人気エピセアロームが、レース史上初の3歳牝馬によるVで重賞2勝目をゲット。3強撃破でスプリンターズS(30日・中山)挑戦も視界に入ってきた。1番人気ロードカナロアが頭差の2着、自己最高体重504キロだったカレンチャンは4着に終わった。なお、サマージョッキーズシリーズは池添が初優勝。褒賞金100万円とワールドスーパージョッキーズシリーズ(11月24、25日・東京)の出場権を獲得した。
女王も強豪牡馬もまとめて打ち破った。エピセアロームは好スタートから内枠を利し好位のインで流れに乗ると、抜群の手応えで直線に向く。進路は目の前で激しいたたき合いを展開するマジンプロスパー、カレンチャン、ロードカナロアの外を選択。名手・武豊の右ステッキに導かれて豪快に伸び、ゴール寸前で測ったように差し切った。
「うまくいきました。ある程度枠も良かったんで、後方に置かれないように気をつけた。前が強い馬だったし、分からなかったが、いい感じで伸びてくれた。いい馬に乗せてもらい、2回目で結果が出せてよかった」。充実の汗をぬぐった鞍上は京都記念(トレイルブレイザー)以来、約半年ぶりの今年のJRA重賞2勝目。「僕自身、久しぶり。また秋に頑張りますよ」とユタカスマイル満開だ。
石坂師も表情が緩む。「G1級の馬を差し切った。このメンバーを相手に勝つんだから満点。エピ(セアローム)の未来が開けた」と絶賛する。この勝利で厩舎は全国トップの今年重賞8勝目。ローズS(16日・阪神)で牝馬3冠へ始動する、僚馬で同期のジェンティルドンナにも最高の形でバトンをつないだ。
師は「勝ったときに、と考えていた。体調が良ければだね。アストンマーチャンも3歳(07年)で勝ったし」とスプリンターズS参戦を視野に入れる。00年にダイタクヤマトで厩舎初のG1制覇を果たしたレース、3度目のVが視界に入ってきた。スプリント界に誕生したニューヒロインが、栄光への階段を駆け上がる。