【ローズS】ヴィルシーナ静かな闘志
「ローズS・G2」(16日、阪神)
オークス以来の合体だった内田博&ヴィルシーナだが、最後まで派手なアクションはなかった。12日の追い切りは「先週にいい時計を出しているので、あまり時計を出さないように」(友道師)の指示を受け、主戦は栗東坂路で先行するアドマイヤパーシア(4歳1000万下)の動きに合わせるように、4F53秒1‐39秒1‐12秒9で0秒3先着した。
「(馬体を)合わせに行こうとすると、ムキになっているというんじゃなくて、反応が良過ぎて突き抜けてしまう感じだったからね。やり過ぎないように、最後に首ぐらい下がっている感じで(末脚を)伸ばしたら、ちょうど良かった。一段と大きくなっている感じで良かったよ」。鞍上は納得の表情で心地のいい汗をぬぐった。
手綱を任された春2冠ではともに2着。前走はパドックからイレ込みが目立ち、レースでもスムーズさを欠いた。「向正面で反応が悪く、厳しい競馬になると思った。それなのに、バタバタになりながら馬込みを割ってきた。勝負根性には頭が下がったし、改めて能力の高さが分かった」と感心しきり。苦杯をなめたが、負けて得たものも大きい。
春に後じんを拝した強敵といきなり激突する。「強い馬はいるけど、それは考えずに、ヴィルシーナの力を出してあげることができればチャンスはある。とにかく乗りやすい馬だし、前回の経験が生きてくれればいいね」。あくまでも自然体だが、ひと夏を越しての新たな成長を胸に信じ、今秋初めての舞台に立つ。